4/6/2025, 7:37:10 AM
「好きだよ」
君も僕も
来世がシーラカンスだとしたら
あの広く深い海でもまた巡り会えるだろうか
もし会えたとして
どうやって「まだ好きだよ」と伝えよう
まだ人間が誰も知らない方法で
シーラカンスなりにがんばってみようか
4/5/2025, 12:14:42 AM
「桜」
もう少しだけ歩いていたくて、
いつもと違う道をゆく。
夕暮れに銭湯の湯気がのぼり、
僕は肉屋でコロッケを買った。
こんなところにも咲いていたのか。
ふと、小さな公園の前で立ち止まる。
コロッケを食む。
桜の花がひらり、僕の頬をなでる。
3/30/2025, 1:37:16 AM
「涙」
あの人は桜が嫌いだと言った。
花が散る様が桜の涙に見えるから嫌いだと。
でもそれは、何の涙なのだろう。
冬を越えた喜びの涙なのか、あるいは散りゆくさだめを憂う涙か。
僕は今桜の木の下にいる。
今にも泣き出しそうな桜の木の下に。
3/28/2025, 2:07:41 AM
「春爛漫」
心地よい陽光に、花が揺れ、
子どもたちが吹いたシャボン玉が煌めいている。
まさに、はるらんまん。
あれ、らんまんってどう書くんだっけ。
まあ、何でもいいか。春が来たんだ。
3/15/2025, 10:56:15 AM
「心のざわめき」
雨は19時過ぎに強くなった。
ビニール傘を跳ねる雨音が心地よい。
今日も世界は夜の底へと傾いてゆく。
それは誰も抗えないこの世の条理。
冬と春の隙間から、始まりの予感が顔を覗かせている。
これもまた、世の条理。
とりあえず僕は、心のざわめきに身を任せて、寝たり起きたりしてみようか。
風がバニラアイスみたいに冷たくなったから、コンビニでバニラアイスを買って帰ろう。