“神様へ”

ああ、神様。
どうか赦してください。
今日見た夢の話です。
人の髪を掴んで、洗面台に叩きつけて、気持ちよくなってしまったのです。
ああ、神様。
私は異常者でしょうか。
どうか、どうか。
赦してください。

“言葉にできない”

『ねぇ』
そう呼びかけて。
声が喉奥で魚の小骨みたいに引っかかって。
『なんでもないよ』
そう言って笑った。
言えない。
言えるわけ、ないじゃないか。
“君が好き”だとか“隣にいたい”だなんてそんな。
今日も、
言葉にできなかった。
言葉にできなくて良かった。
安堵と不安と、ほんの少しの後悔を抱えて。

『それでいい』

僕は弱い人間だ。
もらった贈り物のリボンが捨てられない。
喧嘩なんてできない。
誰かのことを、助けずには居られない。
だけど。
それが弱さなら。
僕はそれでいい。

“お気に入り”
お気に入りの服。
お気に入りのネックレス。
お気に入りの指輪。
お気に入りのイヤリング。
お気に入りの靴。
お気に入りの鞄。

ちょっと不格好ね。