題名:大切なもの
─目に見えないから、大切なんだ。
そんな綺麗事、言わないでよ。
グルって回って、見えるのは、
ぐにゃりと歪む、世界なんだってさ。
─常に意識してないから、大切なんだ。
そんな綺麗事、言わないでよ。
嘘と真実、信頼できるのは、
誰かのための嘘、なんだってさ。
─人生で一番大切なものって、結局分からないね。
題名:エイプリルフール
嘘ばっか吐いてた。
分かんない分かんない。
その日は罪を犯して良い日。
嘘を吐いて、笑って答える。
─そんな罪を犯してないよ
って。
題名:幸せに
ある日、先生はこう言いました。
「幸せになりなさい。」
って。
その先生は続けて、
「それが私から出す、最後の宿題です。」
と言い残した。
私には分からないんだ。
その時はまだ、理解不能だった。
その時、私はとってもとっても幸せだったから。
他人と比べても、自慢できるくらいに。
生きているだけで私は幸せだったんだ。
題名:何気ないふり
フッと無視して愛想笑って。
「何も知らない」
迷宮入りに。
気づかないふりって大変だね。
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「…そういやさ、◯◯はこの事件、なんで知ってるの?◯◯って事件に興味がなさそうなのに。」
何気なく君は私に聞いていた。ドキッと心臓が跳ねていた。
「たまたまその事件を聞いて、衝撃を受けたから覚えていたんだ。それにしても、迷宮入りなんて後味が悪いね。」
嘘をついた私を、君は何気なく見ていた。
題名:ハッピーエンド
「ハッピーエンドな幸せが欲しいんだ。」
指をパチンと鳴らしてウインクをする。
演劇の始まりさ。
結末を見るのは、
きっとあなただけ。
「ハッピーエンドな幸せが欲しいんだ。」
指を指して口開く。
犯人捜しの始まりさ。
結末を見るのは、
きっとあなただけ。
「ハッピーエンドな幸せが欲しいんだ。」
その言葉を言った物語の人はね、
死んじゃったんだ。
ハッピーエンドを見えるのは、
きっとあなただけ。