川原

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4/20/2024, 10:39:07 AM

「何もいらない」

え、私は要らなくないです たくさん要ります
まずは健康な身体です
あちこちガタが来てますからねえ

栄養も必要です
この星には もうあまり 資源が残っていないので
自業自得だって? 
私に言われても困ります

待って 行かないで
それから安心して暮らせる場所を
此処はもう 私達しか住めない星になってしまった

録画機能を搭載した無人の偵察艇が飛び立つ

この星も移住出来る環境ではないらしいと



4/19/2024, 10:30:36 AM

「もしも未来を見れるなら」

それは何年先の未来でしょう
どこの 誰の 何の未来でしょう
その世界には私は居るのでしょうか

それを見た私は 何を思うのでしょうか
それは 変えられる 未来なのでしょうか

今を信じて 懸命に生きて
明日の自分に託す
後は任せたと

明日の自分が目覚めたら
昨日のわたし グッジョブと
小鍋に残った スープを温める
私の未来は それだけでいい

4/18/2024, 10:40:26 AM

「無色の世界」

大切な人が 桜と共に 逝ってしまった
どうか色とりどりの 花に囲まれて
安らかな場所でお眠りください

携帯の機種を変えたので
LINEの履歴は引き継ぎ出来るけど
メールは新しいスマホには残っていない事に思い至り

充電すら怠っていた
古い機種の立ち上げ直しから始める
残っていた
履歴のやり取りに また涙が溢れてくる
オレンジ色のアイコン
もう 返事は来ない

4/17/2024, 11:44:35 AM

「桜散る」

桜はいいな
咲いて美しく
散ってなお 皆に惜しまれる
桜茶に桜餅
みんなの大好きが詰まってるし
死体までも埋められちゃってる疑惑まである
なんてミステリアス

本当は 騒がしいのが苦手なので
酔っ払いどもが来ない
山奥のどこかで
ひっそりと咲きたかったのよ
公園に咲く貴方は言った

皆があまりにわたくしの事を崇め奉るから
長年 力を貰い過ぎて
本気を出せば嵐も起こせるの 実はわたくし

だから今年は ほんの少し 早く散った
うっすらと声に笑みを滲ませて
満足げに緑の葉をさらけ出す

なんてミステリアス

4/16/2024, 1:41:36 PM

「夢見る心」

昔 母が 子供だったわたしに
「きちんと寝床を整えて寝ると
お姫様の夢が見れるんだよ」と
布団の敷き方を教えてくれた
風呂場で足の踵の洗い方を教えるような口調で

現実的で実用的な事しか言わない母にしては
珍しい ファンタジー設定だった

口調が棒読みで
本当にそんな夢が見れるとは思っていないのが
バレバレだったけど
私も お姫様の夢は
特に見たいとも思わなかったけど

ただ たまにうなされて いつだったか
怪獣が夢に出て来たと泣いた事は覚えている

「かいじゅうがわたしのドーナツ
たべちゃったんだよ」
トイレで暫く泣いていたらしい

寝ぼけて泣く子を布団に戻し
シーツの皺を伸ばして
掛け布団を掛けて
お妃様は 姫君よりも先に眠りについたのです

その晩 夢を見たのかどうかは 覚えていない

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