井戸に囚われた悲しい人。

未練を辿って旅をして、

世界を周り終えた頃、

これで最後の一枚と。

今日の雨はどんなかな。
みどり色にだって降ってきて、
大きな木にだってなれるはず。

だけど色が付いてたら、
みんなで洗い流してしまうんだ。
ほんとの雨は透明だから。

誰にも知られないように、
誰にも教えなかったのに。
今日も雨が降らないね。

鏡ってね。
ずっと見てると、
目が悪くなるんだって。

視界がぼやけて、
自分の姿が分からなくなるかも。

頭が痛くなって、
自分が誰かも忘れちゃう。

どこにも出られなくなったら、
演じてあげるね。

明日は涼しいらしいよ。
いや、暑いかも。
でも寒くなりそうだって。

決めていいよ。
コントロールはできないけど。

君が操ってよ。
どうせ素直にはなれないけど。

照らしてて。
帰り道には迷いたくないし。

今年も変わらずこの距離で。
見え透いた嘘を並べた、
光る人。

どこまでも続く、
天を登って。

背を伸ばすより
大事なことを語る、
あの人も、

その行列に並んで、
語りだす。

私はあなたの姉なのに。