筑紫菜月

Open App
8/16/2024, 4:54:29 PM

誇らしさ

あなたが私を求め
私はあなたを受け入れ
愛し
愛される
ということ
男を感じ
女を感じる
ということ
男と女の生きる営みが神々しくあるということ




8/15/2024, 5:21:43 PM

夜の海

その夜の海は暗くおそろしかった
昼間の明るく輝きに満ちた海は精霊の祝福に満ちていたが
その夜の海は荒々しくうねり
まるで生きもののように
そのくせ生きているものを拒むかのように
隙あらば海中へ引きずり込もうとする魔物のようでもあった

私は海を見にゆくのが好きだった

今までに見てきた海はどんなに荒れていても
その夜の海ほどには狂ってはいなかった

美しい夜の海を見たことがあるかい
どんなに言葉を尽くしても語れないほどの美しい夜
その話はまたいつかする事にしよう

変な夜だった
私は海の変化に気づかぬふりで
いつものように海を眺めながらアルコールを飲んでいた
私は海をなだめるかのように夜の海と対峙していた
とうとう友だちが堪えられなくなり
もう帰りたいと言いはじめた
私はもう少し居たいと粘った
睨み続けていれば
いつものようなリズムを刻む
いつものような海に戻ると信じていた

その夜の海は私の足を絡め取るように
繰り返ししつこく這い上がって来た
嵐が来るはずもないのに潮位が異常に高かった

友だちは帰りたがった
その夜の
触手を伸ばし獲物を絡めとるかのように這い上がって来る生き物のような海と
友だちに負け
真夜中を過ぎたころ
私はようやく海を後にした

それ以来
夜の海には行っていない


8/15/2024, 1:44:30 AM

自転車に乗って

歩くよりも早く
ゆっくり
風を受けて走る
道は続く
行き止まりはない
必ずどこかに通じている

ゴールなんてない
この旅に目的はない

移り変わる景色を
眺めながら通りすぎてゆく

この旅は長いから
休み休み

迷ったら引き返す
そんなこんなも旅のスパイス

この自転車は僕の体だ
僕が乗ることで魂が入る
命を受けて動きはじめる

旅が終わるとき
自転車を降りる

それまでは
自転車に乗って
君みたいな
僕みたいな
仲間を探す

歩くよりも早く
自転車に乗って
ウロウロと
あてもない冒険へ

あの雲へと続く坂道を全速力で越えたら
きっと空だって飛べる

旅を続ける
幼い心は
いつだってあの日のまま
自転車に乗って
登り坂を全速力で走っている










8/13/2024, 10:12:22 AM

心の健康

健やかに
康らかに
あるがままに居られたら
眠りを忘れることもなかったのだろうか
自分らしくあることを嫌い
世の中におもねることを覚え
固まって氷のように凍えたまま打たれた杭のようだ

それでも
自由を求め
反抗を
いつまでも繰り返している
















8/13/2024, 8:30:55 AM

君の奏でる音楽

君の声
ただそれだけ

君が喋れば
天上の音楽





Next