一年前、ある人に救われました。けれども顔は覚えていません。なぜなら見ていないからです。
うそです。見ていないことにしたからです。覚えていないことにしているのです。きれいさっぱり忘れろと言われたので、仕方ありませんでした。
当時、僕の相棒も一緒にいました。相棒はその時のことも、その人のことも覚えていません。これは本当です。なぜなら相棒は、本当に何も見ていないからです。
僕は相棒にもこのことを話していません。なぜなら、「きれいさっぱり忘れろ」には、「誰にも言うな」も含まれているからです。
そういえば名前も知りません。教えてもらえなかったのです。
名前も知らず、思い出として誰に語ることもできず、自分の胸の中にしまっておくだけでした。忘れることが出来たわけではないのですが、一年もあればそれなりに記憶も薄れてしまうのです。
忘れろと言われた手前こんなことを気にするのはおかしな話なのですが、本当に忘れそうな今、本当にこのまま忘れてしまっても良いのかと、悩み始めてしまいました。僕が忘れたら、真相は闇の中です。
相棒は一年前に比べて、すっかり元気になりました。前にも増して明るくもなったような気がします。良いことです。
ですが僕が悩んでしまっているせいでしょうか、そんな相棒は、最近勘づき始めているようなのです。たった一つの、僕の大きな隠しごとに。
お題:一年前
仮定ね、仮定。仮定の話。もしも明日世界が終わるとしたらどうする?
どうってつまり、ほら……何したいかとかさ。どこ行きたいとか何食べたいとか、何かあるだろ?
……終わり方にもよる? それもそっか。原因は天災か人災か、とか、終わるのは星か文明か、とか? 要は逃げ場があるかどうかって話だと思うんだけど、じゃあいいよ、あったとしたら? 滅亡に抗ったり、1人でも多く救おうとする?
……あははは! 分かってるってば、そんな柄じゃないよねぇ。じゃあどうする? ……ふふ、だよね。うん、もちろん。
俺もあんたと一緒に逃げるよ。最後の生き残りになるまで。
お題:明日世界が終わるなら......
※未書
お題:君と出逢って、
※未書
お題:耳を澄ますと
──このことは、二人だけの秘密。
──もちろん。裏切らない、お互いに。
──君が昨日泣いてたことも。
──君が今日、怒りのあまり口汚かったことも。
──他に言える人なんていないから。
──私だってそう。感謝してる。
──信頼してる。バラさないでね。
──そっちこそ。
お題:二人だけの秘密