心ここに在らずとはよく言ったものだ。確かに、俺の全ては貴女のものなのだから、俺の心もここには無いのだろう。
それに、別に必要も無い。貴女のものは貴女が握っているべきだ。当然だろう。貴女が支配し、司る。いかなる時も貴女次第だ。
貴女のおかげだ。貴女だけを映すこの心は、俺に恐怖も苦痛も与えない。陶酔と快楽で満たされた、素晴らしい心だ。
捧げよう。心とやらも、心臓も、貴女の意のままに動かそう。
お題:My Heart
欲張りだろうか。羨むことは責められるだろうか。分かっている、無理に手に入れようとすることが罪なのだ。
羨ましかった。俺もそれが欲しかった。"そう"なりたかった。だから動いた。動いてしまった。他人の迷惑も考えず。衝動に任せて。身体が勝手に、なんてのは短気の言い訳だ。そんなことで何かが手に入るはずはないと、考えなくても分かるのに。
分かってる、ないものねだりだ。これは嫉妬だ。与えられたものがたくさんあるのに。持ってるものだってたくさんあるのに。俺は恵まれているのに。どうしてあるものだけを数えていられないんだ、俺は。
どうして。俺が欲しい"それ"を、どうしてお前らは持っているんだ。
お題:ないものねだり
──嫌いだ。嫌いだ。全てを優しく照らす太陽のようなあの人が嫌いだ。あの人がいると俺の太陽は霞んでしまうから嫌いだ。自分は偽物だとでも言わんばかりに沈もうとしてしまうから嫌いだ。
でも俺の太陽は、あの人のことを至極慕っているみたいだ。
──嫌いだ。嫌いだ。強い直射日光のようなあいつが嫌いだ。私の大好きなあの方と、私よりも親しいから嫌いだ。私より優れているのも、悔しいから嫌いだ。
でもあいつが、あの方の隣に誰よりも相応しいのは、認めなければいけない。
──嫌いだ。嫌いだ。朗らかで明るい陽気のようなあの子が嫌いだ。俺に無いものを全部持っているから嫌いだ。見ていると嫉妬で気が狂いそうになるから嫌いだ。
でもあの子が何も悪くないことは分かっているし、ただ羨ましいだけなのも気付いている。
お題:好きじゃないのに
もしもし? 今どこ? ……うん、うん。あははは、やっぱりね。いや、そういえば「ところにより雨」とか天気予報が言ってたなって思って。で、空見たらそっちの方すごい色だったから。そうかなって。うん、迎え行くよ、待ってて。ううん、こっちは降ってない、大丈夫。あ、でもこのまま行くから、傘一本しかないけど文句言うなよ。わざわざ家帰んのやだし……あはは! まぁそれはそうだね。てか、不用意な方が悪いんだからそもそも文句言われる筋合い無いし。うん、うん。じゃあ今から行くから待ってて。ちゃんと屋根の下いろよ? いや、やりかねないじゃん。うん。じゃあもう向かってるから。また後で。
お題:ところにより雨
特別。特別、ねぇ。
それは誰にとっての特別? 俺? あなた? あの人……それともその他大勢?
俺にとっての特別を聞いてるんだったらやめろよな。そんな質問、答えは分かりきってるんだから聞くだけ無駄だろ。
ああ、このあたりで有名人の某彼じゃないよ? 「その他大勢」にとっての特別、漏れなく全員に愛される、みんなの太陽こと、彼。彼じゃありません。もちろん俺も彼のことは良い人だと思うけど、残念、俺の太陽は違う人です。思ってた答えじゃなかった? うそつけ、知ってたくせに。
さて、では、俺からも質問です。俺の太陽こと、特別こと、あなたは。
一体いつになったら、ご自身が俺の唯一無二であると、認めてくれるのでしょうか。
お題:特別な存在