6/29/2025, 12:11:30 PM
青く深く
淡い青もいいけれど、濃い青もいいな。そう思ってチューブを絞った。
太陽の光が真上にある夏。僕は宿題のためにイラストボードに筆を踊らせている。
クーラーの効いた部屋でストローを刺した麦茶を啜りながら描くものは、特にこれとは定めていない。
気持ちのままに塗るこれのタイトルだけは「夏」と決めていた。
だって夏の宿題だから。逆に深いとか思ってくれるんじゃないか。
僕は何も考えてないけれど。
夏といえば。ギラギラの陽の光、眩しいほどのビタミンカラー……海や空の青。
そう思ったから、とりあえず青をぺたぺた塗った。これは空にしてもいいし、海にしてもいい。
単純な青だとつまらないから、少し赤みも足した。
紫になるほどじゃないくらいなら濃く見えるのだ。
たくさんの色を足せば足すほど深く濃くなり、最後には黒になる。死の色だ。
もしかして季節ってこういうことなのかな。
時間とともに色をたくさん重ねて、ついには黒い冬になってリセットされて、また春にはまっさらな上に淡い色を乗せるのだ。
あ、これって深いかも。
タイトルを「季節」に変えようかな。
……誰もわかってくれないかも。やっぱ、「夏」かな。
6/28/2025, 4:52:37 PM
夏の気配
雨。蒸し暑い。
呼吸すら難しいこれを超えたら、からっとしたあの懐かしさに戻れるのかしら。汗、笑い声、涼しい風。遠い。もう手の届かない、