冬晴れ
澄み切って晴れ渡った空
真っ青な空に雲ひとつなくて
キリッと頬を撫でる冷たい風が私を震わせる
吐いた息が白くなって冷たい空気に溶けていく
冷たくて澄み渡っていてとても綺麗な空
私の心も澄んでいく
朝日が照らしてくれる。
さぁ、こんな日に死ぬのは勿体ない
今日は空がきれいだ。生きよう
そんな理由でもいい
私は足を踏み出した。
今年の抱負
ばーちゃん!!あけましておめでとう!!お年玉ちょーだい!
こら!たくま!会ってすぐそんなこと言わないの!
まぁ、まぁ、いいのよ。そうしたらターくんこっちおいで。
お年玉くれるの!?
通された部屋には白い長い紙が引かれていた
これなにー?
これはね、書き初めっていうのよ。この黒い墨を筆にとって半紙に書くの
えー、めんどくさいよー!
これを書いてくれたらばあちゃんター君にお年玉あげる。
え!やる!
この紙に今年の抱負を書いてちょうだい
ことしのほーふ?
うん、これからどうやって過ごしたいか、夢なんかを書いてもいいわ。ター君の好きな事を書いていいのよ。
わかった!
ター君と呼ばれた少年は半紙の前に座り、うーんと唸っている。
孫を見守るおばあちゃんは自分の娘にコソッと話しかける
ター君はやっぱり真面目よね。
お母さんも分かる?だらしないけどやると決めたら真面目に考えて真剣にやってくれるのよ。
ほんといい子に育てたわね
そういうなら、お母さんの教育が良かったのかもね♪
ふふっ、
今年もよろしくね
はいよ、たまには顔見せに来なさい
もちろんよ
決まった!
男の子は筆を持ってルールに囚われることなく自由に半紙の上を走らせる。
できたよ!
『たのしくしあわせに!!』
あら、素敵ね
うん!ぼくもうおにいちゃんだからね!いもうととたのしくすごすんだ!!
そう言って少年は自分の母親のお腹を指さした。そこには少し膨らんだ幸せの種が眠っている。
まぁ、いいお兄ちゃんになりそうね。お年玉あげるからリビングにおいで。お餅も食べてく?
食べる!ばーちゃんありがとう!!