風がひんやりとしていて
肌寒くなってきた
そろそろ衣替えの時期かなぁ
そう言って約1年ぶりに
クローゼットに手をかけて少し開いてみる
すると微かに懐かしい香りが漂った
自分のサイズより少し大きめのスウェット
男女問わず着れるようなデザイン
プレゼントでもらったクリーム色のマフラー
あの寒いに一緒に買ったパーカーまで
開けなければよかった
すぐに私はそう思った
好きだったビリヤードもやめて
聴いていた音楽までジャンルを変えてしまった
彼と過ごした時間を忘れるために全てを変えたのに
来年の衣替えは思い出さないよう
服は全部捨てようと思う
またどこかで会っても
私に気が付かないように変わろうと思う
だけど、私以外の人との幸せそうな顔は見たくないからさ
私の知らない場所で幸せになってね
いつからだっけ
2人の気持ちに差ができたのは
一緒にいる時間が楽しみだったのに
いつのまにか苦痛になって
ずっと笑って過ごしたかったのに。
このすれ違いを終わらせようとおもう
「ねぇ。好きだよ」
夕方に起きてビリヤードをして。
負けたらダーツで勝負
負けた方の奢りで食べるご飯の約束だと
私の懐が寂しくなる
だからいつも交互で出し合う
出かける時も遊びに行く時もいつも送ってくれて
どこまでも迎えに来てくれる
夜中でも朝方でも寂しかったらすぐ飛んできてくれる
いつでも隣にいた君を忘れたと思ってた
けどふとした時に思い出すんだよ
そういえば誰かが言っていた
忘れたくても忘れられない
そんな相手がいるあなたは幸せだ
だってそれくらい楽しい思い出があったんでしょ?
私だって忘れたいよ
だけど。一緒にいた時間の全部がすごく楽しいくて
私の中での1番の思い出なんだ
そろそろ君を忘れきれるほどの思い出を作ろうと思う
金輪際関わることのない君のことを。
私の知らないどこかでどうか幸せになってね
久しぶりに話をするようになって
さりげない優しさや気遣い
何気ない会話に共感して私の味方になってくれたり
時には悪いと思ったことを注意してくれた
そんな大人になった君に惹かれてしまった
でも距離が近くなればなるほど
子供っぽい部分も見えてきて
無邪気にはしゃぐ姿も甘えん坊な所も
そんな所も全部好きだった
だけど私たち不完全すぎたね
全部が全部中途半端すぎた
子供らしく何も考えずに話ができるようなったら
また連絡するね
放課後のいつもの場所で
お馴染みの顔で集まって
なんでもない1日のくだらない話
気がついたら周りが暗くなってて
急足で向かうバス停
1人になると考えてしまう
いつまで続くのかな
あと何回で終わりが来るのだろう
今考えてもピンと来ないからわからない
ならなにも考えずに馬鹿しとけばいいのか
場所が変わって歳も身長も変わっても
関係だけは変わって欲しくない相手
貴方には何人いますか?