世界が終わるなら徐々に終わるが迫るんじゃなくて
一瞬で痛み無く終わって欲しい。
センチメンタルジャーニー
隣接した市が都市化し
自然と我が故郷も都市化していった
高校生になった私は
自宅と学校をただ往復する日々だ
だがふと用事がでできて馴染み深い道を歩くと
苔や汚れが積み重なった思い出の遊具は
全て新しいピカピカの遊具に変わり
水溜まりで笑いあった道は水が入る隙もなく
綺麗にピシッとしている
諸行無常の理からして
ここで切なさを感じるのは無粋だと思うが
それでも感じてしまう
ガキながら歳をとったなと思った
波にさらわれた手紙は
二度と帰ってこない。
淡く母なる海に全てを消され
綴った思いすらも他者の餌になるんだ。
そこにさらわれたものは何も返ってこない
住宅も、見慣れた路地も、看板も、
この頭に刻まれた思い出の公園も、
全てを無に帰す
家族さえも
まるで何も無かったかのように。
私の全てを奪った海に
今日は身を任せてもいいかもしれない
私の憎しみも思い出も心も
聖なる場所を置いて生き残ってしまった体も
全部…さらってくれよ…頼むから
なんでこんな時だけ…穏やかなんだよ…
半袖。
なんでタンクトップより半袖が好かれてるの?
きっと脇が見えるか気になるのよ。
脇が見えるとなんで嫌なの?
恥ずかしいと思ってるところは見られたくないでしょ。
じゃああの人はなんで暑いのに長袖を着てるの?
きっと腕を見られたり、日焼けすると嫌なのよ。
それも恥ずかしいから?
昔の人は気にしなかったんだけど徐々に増えてる気がするわ。
じゃあいつか指も顔も髪も隠すのかな?
私にも…分からないわ。
観衆は彼女を見て愛を囁く。
ステージで仮面をつけて踊る彼女に
みんなは目を奪われる。
華麗に豪華に繊細に踊る彼女は自由に見えた。
舞台裏を歩いていると
誰にでも愛されていて自由なはずの彼女は
今日も自分の顔に震える手で仮面を押し当てる
ある日彼女は仮面をつけたままの
首吊り死体で発見された
近くには殺害予告やストーカーの脅迫文にまみれていた
遺書にはには「ただ真実の愛が欲しかった」とある
そのあとの世界は混沌が呻いていた
彼女の後を追おうとする者や、
自分の応援は愛じゃないのか?と空に怒りをぶつける者
彼女の事件に陰謀の泥を塗りつけ笑う者
日頃の腹に貯めたストレスの吐き溜めにする者
彼女のステージや彼女の姿を本気で愛して涙する者
彼女は…愛されてないわけではなかったが、
追い詰める者の存在が大きすぎた
じゃあみんなに幸せを振りまく彼女は
望む愛を手に入れられない運命だったのか?
運命は…残虐だ。