今まで君を探していたが
本当はずっとわかっている
君は遠い場所にいるんだろう
私が到底辿り着くことのできない場所に
思えば君は風のようだった
自由で縛られず、飄々としていて
君に背中を預けて戦ったことが
まるで遠い昔のことのように感じる
君は今頃何をしているのだろうか
強く勇ましい君のことだ
何にだってなれるだろう
私がなれなかった英雄にだって
どこかでなれているかもしれない
見て、夜の空は本当に美しいね
闇を彩る小さな光をその目に映して
貴方は幸せそうに笑っていた
ああ、本当に美しい
あの小さな光の瞬きが
私の哀しみなど意にも返さず輝いている
何の意味があるのだろう
貴方が隣にいなければ
遠く煌めく星などに興味なんてないのに
幸せな夢を見た
今はもう会えなくなった貴女と
二人で笑い合う夢だった
また貴女の隣にいさせてくれなんて
そんな贅沢なことは望まない
ただ願いがひとつ叶うならば
私のことを忘れて生きてほしい
ねぇ、貴方にとって最もつらいことは何?
昔、そう問われたことを思い出した
当時はいきなりの問いに
何も答えられなかったけど
今ではきっと
貴女と同じ答えを言えるだろう
私はね、別れというものが一番つらい
たとえどんな終わり方だとしても
その人と過ごした日々はとても楽しかった
その記憶が頭から離れなくて
それなのに、もう二度と戻らないのだから
おやすみなさい、またあした
貴方は毎晩そう言ってくれた
夜の静けさに飲まれる私に
幸せな夢を見れるようにと
思えば、刹那の幸せだった
こんなにつらいなんて思わなかった
貴方よりずっと長い時を過ごしたというのに
別れの覚悟もできていなかった
でも、私は大丈夫
だって、貴方はきっとまた会えると
全てを忘れても、いつかきっと会いに行くと
私に約束してくれたから
だから、最後は笑顔でお別れをしよう
貴方がいつもしてくれたみたいに
私は貴方の頰をそっと撫でて
貴方に優しく微笑みかけた
今まで本当にありがとう、愛しています
おやすみなさい、またいつか