#終わらない夏 2025/08/17
嗚呼、この夏も一瞬だ。
いつの間にか、ひぐらしが鳴いているし
いつの間にか、僕らのカレンダーは__
8月を示している。
夢の中の夏は
海でヤドカリと 戯れて
スイカを割って 食べて
キラキラ光るプールで 泳いで
夏祭りで綿菓子を 食べていたはず
「きっと、まだ間に合うさ」
せめて貴方は僕よりマシな夏を__
#遠くの空へ
わたしには
翼なんて無いから
そこには行けないよ
貴方は知らないことだけど
わたしには
毎晩決まって見る夢があるの
とおくとおくの
淡く蕩けた
トパーズ色のあの空へ
ずーっと羽ばたく
そんな夢
「それは、オルゴールみたいに
トクトクって
音を立てて
心臓が高鳴るの。」
ねぇ、ちゃんと聴こえてる?
トパーズって、まるで貴方の声みたい。
#!じゃ足りない感情
「愛してる!大好きだよ!」
こんなメッセージなんかじゃ伝え切れやしない!
この気持ちも、この感情だって。
電話だってだめだよ。
声だけじゃ貴方だって分からないかもしれないでしょう?
もちろん、貴方を顔で判断してるわけじゃあないわ。
ころころ変わる、表情が見たいの。
ここまで言っても分からない?
わたしの伝えたい言葉。
あぁ、答える必要は無いの。
唯、わたしのこの願いを叶えてくれればそれでいいから。
#君がみた景色
あの日あの時、貴方は何を見たの?
写真に映る君に__幾ら話し掛けたって現実は屹度変わらない。
其れでも。君はあの日、何を思っていたのか。ぼくは気にならずには居られない。
かと言って、今のぼくには何も出来やしない。
唯、湿った空気の夏に溺れて、クーラーの付いた部屋に居る。それだけのこと。
開いた窓からは風も吹いてこない。気が滅入るほどじめじめとした1LDKの家でぼくは寝転がっていた。
其れでもぼくは_あの時、君がぼくを見ていたらって考えてしまうんだ。
だから何か、_____