「ココロ」
涙は出ないし声も出せない
SOSを出しても
誰も気付いてくれない
重くて脆くて
すぐに壊れてしまいそうなのに
たった一言やちょっとした行動で
壊されるのも救われるなんて紙一重だね
「星に願って」
あの方と和合出来ますようにと小さな星に願うのは
盲目の女
一攫千金と小さな星に願うのは友人に騙され一文無しになった男
美貌が欲しいと小さな星に願うのは大富豪の妻
些細な願いから欲望までの願いを叶えるのは小さな星に願い
或る町に流れる小さな星は好き勝手な欲望に堪忍袋が切れ
些細な願いには叶え
欲望だらけの願いには
真逆な願いを叶えたと云う言い伝えがあるそうな
それからその町では小さな星が流れる日が訪れたら
夜は家に引きこもり空を見上げることなく1日を過ごすことを
命じているそうだ
「遠く」
遥か彼方の遠くにありそうで
遠くなさそうな新時代は
どんな世の中になっているのでしょうか?
「君の背中」
君は
いつも背中に
柴犬をおんぶさせてから
出勤していく僕を見送るのが日課だ
「誰も知らない秘密」
世界自身もわからない秘密が何処かにあって
神も仏も世界も知らない秘密が何処かにあって
秘密がどんな秘密なのかも
神も仏も世界も知らない秘密はなんだろうか?
誰も知らない秘密は一体どんな内容の秘密なんだろうか?
秘密はどんな内容のことを秘密と云うのだろうか?
探し出す程の価値のある秘密なら
誰も知らない秘密になる?
「静かな夜明け」
群青色の空を見上げて夜明けを待つ
静かな商店街にカメラを傾ける
人も車も雑多な音が無い繁華街を
誰一人歩いていない繁華街を
自分一人歩く
初めて静かな商店街を歩いたのは
飲み会で電車を乗り過ごして、
漫画喫茶店に向かう途中に商店街に入ったことだ
昼と真夜中の商店街の顔と雰囲気が違うことに
僕は驚きスマホで商店街を撮ったことから
夜明け前から夜明け後の商店街を写真に収めるようになった
商店街を抜けると
群青色の空を顔を見せ始めていた
喧騒で賑わう繁華街も
この時間は静かな夜明けを迎え
群青色の空は朝の空と姿を変え
商店街は喧騒に包まれる
静かな夜明けを
また商店街で