「雪を待つ」
或る女の日記より
囲炉裏に火を入れる時期が参りました
今日は曇り空で雪雲ではありませんでした
アナタが来る頃は雪が降り始めています
毎日天喜予報を聞いては外を眺め
雪はまだか雪はまだかと一喜一憂しています
アナタの為に濁り酒を用意してます
雪が降り始めたら
アナタはこれ飲みに来て下さるのが冬の日課ですものね
囲炉裏に火が灯され
そばではヤヤが笑っています
アナタにまだお顔を見せていませんでしたね
あぁ雪が待ち遠しい
早く早く早く 雪が降らないかしら
アナタの柔らかい肢体が欲しいと
ワタシの密部が疼いているのです
雪はまだ先のようです
雪を待ちながら
アナタが来るのを
雪が降り待つ時まで
「愛を注いで」
愛を注いでも何かのきっかけで
育ちが悪くなり、はい、さようならはくる
きっとひねくれて枯れた性格になってしまうのは
愛を注いでも何かが足りなければ
その道に行ってしまうのは理なのでしょうか?
「心と心 」
くっついて 離れて
理解出来て 理解出来ない
「何でもないフリ」
また先輩が頭を抱えている。先輩のPCには分割割した文章作成の画面に
キーボードの上には5枚のプリントに再提出の判子と再々提出の判子
「先輩。また何かやらかしたんですか?」
「失礼な。まだ何もしていない」
失敗する前提なんですね。失敗をしないと云う考えは、ないのかな?
僕は先輩からの机を離れ少し先の所でチラリと先輩は頭を抱える。
時々、先輩は僕から失敗を指摘されると何でもないフリをする。
先輩は誰にも見付からずに失敗を隠しやり遂げようとする。
僕から見ると逆効果でかえって仕事は増え悪循環。
失敗をやらかしても「何でもないフリ」して仕事をやり遂げるのが先輩と云う人物だ。
先輩はPCのキーボードを打ち始めたのだった。
「仲間」
仲間だと思っていた奴が仲間じゃなくなり
仲間じゃないと思ってた奴が仲間になり
本来の仲間の意味が分からなくなっていく