「窓越しに見えるのは」(一行詩)
上げ下げ式窓で見えるのはサクラサクラ桜の花弁よ
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真夜中のニャルソック出動は窓越しに
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丸窓越しに見えるのは蛇の目傘の細雪
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覗き窓越しに男女のアレヤソレヤ
「入道雲」(一行詩)
先の目先に入道雲 雨門が開く
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空に雷様の御出座し御出座しよ
「赤い糸」
アナタの身体から
全ての赤い糸を取り除いたら動かなくなっちゃった
アナタにとって「赤い糸」は大事なモノだったんだね。
「夏」(一行詩)
デッキブラシは夏の思い出か道具の一つに入る訳で
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タコ焼きをアテに冷酒を飲み干す
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炎帝の元で冷や甘酒のかき氷を食らう
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少年の夏の盛りはカブト虫と野球帽子
「ここではないどこか」(一行詩)
彼女の視線はここではないどこかを見ている
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彼の体はここではないどこかを向いている
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紙の上のペンはここではないどこかを指している
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足がここではないどこかを彷徨い続けている
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文字がここではないどこかを彷徨い続けている
「君と最後に会った日」
最後に会った時の君は気が立っていたね。
普段穏やかな君がその日に限って気が立ち
ご飯を出しても食べなかった。
暫く来てなかった日があったから
その間に何があったのだと思う…。
ご飯も食べずにいつも通り
ちょこちょこと歩きながら何処に行ってしまった
(後ろ姿を眺めてその日が最後に
君と会った日になるなんて思いもしなかった)
その日を境に君はもう二度と来なくなった…