#31『意味がないこと』
貴方にとって、感情に振り回されて
すべきことができないようじゃ
アホらしくてバカみたいかもしれないけど
私にとって、感情に振り回されて
喜んだり悲しんだりするから
人ってカワイイ生き物なのよ
確かに生きるために必要なのは
たかが3つくらいだろけど、
他にエネルギーを注ぐ余裕ができて
より人間らしく生きたからこそ
今の世界があるんだし
それを無駄だなんて言わないで
この言い合いに落ちはないだろうけど
貴方との時間は嫌いじゃないわ
だってとっても有意義だもの
#30『あなたとわたし』
好みも行動も真反対もいいところ。こんなに私達違うのに、どうして付き合ってるんだろうね。話が合わなければつまらないはずなのに、あなたならいつまでも聞いていられる。もっと知りたいと思える。これってすごいことだよね。1人じゃ気づけなかったこと、今までになかった考え、そのどれもが刺激的でこの上なく愛しくて。だからこれからも一緒にいたいな。
#29『柔らかい雨』
傘をさすほどでもないか、とそのまま歩いていれば手を引かれて中に入れられる。ペースも合わせてくれるし、車道側は譲らないし、肩ちょっと濡れてるじゃん。いつからそんな紳士的になったわけ?
お互いに何も喋らないまま信号で止まって待つ。跳ね返る雨が陽炎みたい。再び歩きだしてしばらくすれば家につく。送ってもらっちゃったな。また明日ね、と言えば片手を上げてまた明日、と返される。折り畳み傘はバックに入れたまま。
#28『一筋の光』
澄み渡った空の下、心地よい風が青々とした草原に吹く。彼の動きには一切の無駄が無い。剣は川の如く宙を流れ、そのまま一気に皮を切り肉を割き、勢いよく飛ぶそれは地面を赤黒く染める。
互いに命のためといっても酷いに違いないはずのこの光景に、なぜ心奪われているのだろう。なんて美しい後ろ姿なのかしら。何があろうとも彼は絶対に守ってくれる。私は無力だけど、ただ1人、安全な場所から見守っていればいい。
いつも導いてくれるその手で何人殺した?本当はどこへ連れて行くつもりなの?
__なんて、気にならない。戻ってきた彼は私の身を案じて声をかける。怪我なんてするわけないのに。
父上を裏切ることになっても、母上を悲しませようとも、彼がいればそれでいい。いつか、もっと遠く、私の知らないところまで連れていって…………
馬の歩くリズムが心地よくて、いつの間にか彼の腕の中で眠ってしまっていたみたい。
次に目を覚ますと日は既に沈んでいて、1本だけ傾いだ街頭が怪しく明滅していた。
#27『眠りにつく前に』
あったかいお茶を飲んでほんの少しだけ読書をすればふかふかの毛布を被ってあとはもう寝るだけなのに、どうしてこういうタイミングで色々考えちゃうんだろう。宇宙のこととか、明日のテストのこととか、彼のこととか。
頭が追いつかないほど広すぎる真っ暗な空間。やっと光が届き始めてどんどん進んだその先に私達の青い星がある。そこで生まれた文明は長い時をかけて発展し、生命維持に必要ない文化も生まれた。でもこれこそ人間が人間らしく生きていく助けになるはずだから。創作活動は自己を高め相手も刺激しいい影響を与えていく。
そんな恩恵を預かって、今日2人で流行りの曲を聴いた。奇跡的に巡り会えた彼とバスの中、片方ずつの有線で繋がる。無線よりもやっぱこっちだよ。思い出してニヤけちゃうけどそろそろ寝なくっちゃね。おやすみなさーい。