″空に溶ける″
ハァー…う〜、さむさむ…
やっぱ夜は冷えるなぁ
で!も!今日は華の金曜日!!
帰ったらいっぱい呑んで私の推し様の勇姿をこの目にしかと焼き付けるんだ〜!
だからさぁ、君さっさと吐いてくんない?
誰に、なんの目的があって、ウチの組織に喧嘩売ったのか
トップが女だからって油断した?
ざーんねーん
舐められやすい女が何年も続くヤクザのトップにいる時点で普通じゃないって気づけたら良かったのにね
頭が弱いってのは可哀想だねぇ
さ!お喋りはここまで!
君の息が空に熔けて無くなっちゃう前に、さっさと質問に答えよっか!
″木漏れ日″
「ぽっかぽかの陽気だね〜!いい天気!」
そうだね、随分と過ごしやすくなった
「まだ寝るの?」
うーん、もうちょっと
「早めに起きてよねー、やりたいこと沢山あるんだからさ」
出来るだけ頑張ってみるよ笑
「もう1週間だよ…?そろそろ起きろ寝坊助」
事故はしょうがないだろー?それにそろそろ…
『おはよう』
「………おそいよ、ばか」
″ラブソング″
世間でよく聞くラブソングを信じられなくなったのは何時からだろう。
いや、ね、私だってさ、信じてた時あったかもしれないけどさ、もう覚えてないんだもん。これまで生きてきて恋人いたことなかったしさ。
…可哀想って思う?恋人できたことないってやつ。でもね、考えてみて欲しいの。
実の親が子どもを原因に離婚するってなってさ、
子どもの目の前で容赦なく怒鳴り声をあげてさ、
お互いを罵りあって、嫌いになって、話さなくなってさ、
恋愛、する気になる?
私はならないなぁ…
恋愛をすることが出来る人間はそれはそれは素晴らしい人間だと思うよ。尊敬する。本当に。
でも私には必要ない。
あぁ、綺麗で幸せなラブソング!
″手を繋いで″
懐かしいね〜
若い頃もこうやって手繋いでたっけ
最後に手繋いだのって何年前だ?
もう40年は経ってるか?
随分長く君の手の感触を忘れていたな〜
迎えに来たよ。
生きていてくれてありがとう。
「遅くなってすまないな。
迎えに来てくれてありがとう。」
天国までの片道切符を老衰で死んだおじいちゃんにプレゼント〜!
「そのジジイを40年以上待ち続けた若いもんはどこのどいつだ?」
ここのこいつです〜!!話したいことが沢山あるんだ!ちゃんと最後まで聞いてよね!
「ああ、聞かせとくれ。儂も話したいことは山ほどあるからな。」
じゃあ行こうか
仲良く手を繋いで!
″わぁ!″
静かな
静かな
白銀の世界
眠たい、な…
こんなに綺麗な世界で、眠れるなら、どんなに、幸せだろうか
なんて、考えてみたり…
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「わぁ!こんなところに熊いたんだ!
…あ、でももう死んでるな。冬眠のための餌足りなかったのかな」