「一族の花となりて散るぞ」
　そう言えず
　筆遊ぶ雑草
　　　　　　　　　　　(250904 言い出せなかった「」)

　影遊びのように
　戯れている
　つがいの黒き蝶の
　またたき
　　　　　　　　　　　　　　　　(250903 secret love)

　怒り沸く
　我がこころを涼やかに
　めくるページの
　めざまし息吹ぞ
　　　　　　　　　　　　　　(250902 ページをめくる)

　水晶の
　玉の如く震える
　蝉の声響く
　夏はいずこ
　　　　　　　　　　　　(250901 夏の忘れ物を探しに)

　逢魔が時さえ
　焼き尽くす熱よ
　涼しき秋の夜は
　黒焦げだ
　　　　　　　　　　　　　(250831 8月31日、午後5時)