学校からの帰り道
突然降ってきた雨にため息を漏らす
せっかく今日は1人で帰れたのに
いつも一緒にいるあの子から開放されたのに
なんで今日に限って雨が降るんだろうか
別にあの子の事が嫌いな訳じゃない
けれどずっと一緒にいるのは
しんどくて息が詰まってしまう
折りたたみ傘も忘れて
雨に打たれながら空を見てまたため息を漏らす
こうなってしまったら
嫌な事が次々と頭の中で駆け巡る
なりたい自分になれなくて
ホントのじぶんを隠したくて
隠して殺して偽ってきたのに
なんでこう上手くいかないものなのか
卑屈になってどんどん気持ちが沈んでいく
今は1人、だからこそ感情が抑えられない
ボロボロと泣きたくもないのに
涙が目からこぼれ落ちていく
急な雨、嫌いだったけど
案外悪くないかもしれない
泣いている自分を隠してくれる
痛くて優しい雨
【2023-09-27 ― 通り雨】
「(あぁ、今日も憂鬱だなぁ)」
このテストでボクの進路は決まってしまう。
きっと点数も大幅に変わらないだろうし
“そういう人間”として評価されるんだろうなぁ
こんな紙切れ一枚のテスト用紙で
一体その人の何が分かるというのだろうか、
学力は分かっても
本当に持っている才能まではわからない。
テスト中、モノクロの紙に見飽きて
窓から外を見る。
今日の天気は
まるでボクを嘲笑うかのように
雲ひとつない快晴だった。
【2023-09-26 - 窓から見える景色】
私は嫌だった
私に優しくしてくれるあの人が
年上で余裕のあるあの人が
優しくしてくれる度に
抜け出せなくなる
ドロドロに溶かされて
まだ心が少し子供の私を
包み込むように
優しく接してくる
やめて優しくしないでよ
優しい大人なあの人は
「俺より君に似合う良い人がいるよ」
なんて言っちゃうから
この思いも実らないのかなって
辛くなる
それでもあの人は優しくしてくるの
ねぇ、お願い。
もう、優しくしないで
【2023-05-03 - 優しくしないで】
小さい頃、母から聞いたことがある
「流れ星が流れている間に
お願いごとを3回言うと叶うんだよ」と
今となってはそんなのは嘘だってわかる
だって宇宙のゴミなんだよ?
でも、そうだなぁ
もし願いが叶うなら試してみようかな
「─────────────。」
【2023-04-26 - 流れ星に願いを】
今日の気分はどうだったのか、
そう聞く彼女の顔は曇り顔で
僕は彼女の顔を横目で見て
「…そうだなぁ、僕はいつも通りかな」
なんて曖昧に答える。
「……………そっか、」
数秒経った後に彼女がそう言った。
今日、彼女に何かあったのだろうか
聞くべきか聞かないべきか
迷った末に僕は聞かなかった。
あの時、聞いとけばよかったな
そう数日後に後悔をした。
彼女がいなくなってから
毎日のように呟く
同じ時間、同じ場所で
「今日の気分はいつも通りだったよ。」
【2023-04-23 - 今日の心模様】