不透明水彩

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11/23/2023, 12:42:19 PM

-落ちていく




人は美しいものに弱い。

美しい花、美しい景色

そして美しい人。

僕の目の前にいる本を読む女子生徒も美しい人という部類に含まれているだろう。

「…ねえ、何呼んでるの。」

「……小説。」

漢字二つで返された僕の勇気も彼女ならば仕方がない。

僕の心はとうの昔に君に落とされ、
今も拾われないままでいる。

9/28/2023, 7:23:39 AM

-通り雨




上からぽつぽつと雨が降ってきた。

私は雨が嫌いではなかった。

作物は育ち、熱を持ったコンクリートも冷やしてくれる。
それに傘があれば自身が濡れることはないし。


ただ、君がいない日は少し憂鬱で
天すらも君がいないと泣いてしまうらしい。

明日は会えるといいね、私のお天道様。

6/30/2023, 12:33:39 PM

-赤い糸




僕と君は赤い糸で_

なんて、結ばれていないことは昔から知っていた。

だから僕は赤い糸をつくることにしたんだ



……

嗚呼、真っ赤に染まった君はなんて美しいのだろう。

君の体内にあった赤い"糸"を自らの小指に巻き付けた


病める時も健やかなる時も
僕は君から離れないことを誓いましょう。


冷たくなってしまった君の心はまだあたたかかった。