NoName

Open App
5/7/2026, 10:43:08 AM

黒い雨傘をさして
ゆっくりと大股で歩みを進めた

小雨なのに
大粒の涙が降る

今の私の気持ちだと思ってしまう

フラれた

友達としか 思えない

彼はそう言うと

ごめん


雨でも小走りに
街の中に消えた

初恋だった

小学生の頃から


その後
程なくして
彼に可愛い彼女が出来た

お似合いだった
だから

許そう と 思った

けれど今

大粒の涙が降る今

黒い雨傘をさして
私は昨日までの自分に別れを告げた

5/7/2026, 10:14:33 AM

ソーダ水の泡が弾けるのを眺めながら
僕は昨日書き損ねた宿題の方を見やった

ああ きっと 煩悩が僕の心を支配して
やむなく宿題ができなかったんだ

ソーダ水のコップに再び目をやると
氷がカランと音を立てた

外では蝉がうるさく鳴いている

クマゼミか
何の蝉だろう

答えが空白の宿題と筆箱を鞄に詰める

ケン!朝ごはん 食べないの?

一階から母さんが
業を煮やして今にもこの部屋まで
来そうな勢いだ

食べないで行くよ!

部屋から大声を出す

コップのソーダ水は
またカランと音を立てた

妹がソーダ水のコップを手に

部屋を出て行った

ママー、お兄ちゃんまだ支度終わってないー

僕はぼんやりと
明日の来ない明日を願いながら

ゆっくりとシャツのボタンを閉じて

階段を降りて行った