たくさんの思い出
学生時代の友達と久しぶりに会った
久しぶりすぎて少し緊張するかと思ったけれど
そんな心配は無用
あっという間に当時の感覚に戻ってしまう
まるでつい最近のことかのように
長い時間の壁を軽々と飛び越えてゆく
10年20年なんてひょいとひとっ飛び!
嬉しかったことや辛かったこと
互いに共有する思い出に懐かしさを感じ
時には秘密にしてた事を暴露してみたり
このまま永遠にお喋りできる気すらしてくる
たくさんの思い出
そのひとつでも欠けていたら
今、ここにいる私ではないのかもしれない
ありがとう
また会おうね
冬になったら
冬になったら
冷たくて澄んだ空気が凛としているのが好き
遠くに見える山の稜線や
夜空に瞬く星、庭に降る霜
私の目に映るものも聞こえてくるものも
より鮮明に感じられるから
同じように風当たりが強く辛いと感じる時も
目線を上げシャンと背筋を伸ばし
凛として生きていけたらいいな
私の周りのぼやけてしまっていたものも
同じように鮮明に感じられる気がするから
見える景色や耳にするものが違えば何かが変わる気がする
すぐに答えは出ないかもしれないけれど
それでもいい
凛とした私に気づけたら
きっともっと自分を好きになれる
悪くない
はなればなれ
知らぬ間に勝手に無理して我慢して
それが当然だと生きてきた
何をやっても割と器用で要領が良かったせいもあり
少しムリするぐらいでようやく自分の存在意義が感じられたと言っても過言ではなかった
ところがある時
いつも出来ていたことさえままならなくなって
ようやく心とカラダが悲鳴を上げた
「〜しなければ」「〜すべき」と独りよがりで自分の気持ちを置いてけぼりにしていたから
心とカラダははなればなれになっていたのだろう
カラダは心が認識するよりも先に早くサインを出してくれていたのに
心に蓋をして目も耳も塞いでいたから
そのサインにはなかなか気付けなかった
いまは自分が「やりたいこと」「感じていること」に目を向け、自分の感情に気付き
出来ないわたしを認め愛おしむ事を知った
人を信頼し、人を頼ることも覚えた
心とカラダの距離はぐっと近くなり
余計な力が抜け少しずつラクに過ごせるようになった
ずいぶんと遠回りで時間はかかったけれど
それもまた必要な事だったねと
笑えるようになって良かった
子猫
もしも私が子猫だったら
あんな事やこんな事を経験してみたい
存在だけで飼い主にものすごく可愛がられる
あざとく可愛いところを見せて喜ばせてみる
液体のようになって色んなところに潜り込む
猫じゃらしで一心不乱に遊ぶ
遊び疲れて寝たい時はその場で寝る
私だけの美味しいご飯を取り揃えてもらう
ツンデレな態度をとってみる
自分の機嫌最優先で行動する
かる~くキャットタワーに登ってみる
猫パンチを繰り出す
時々逃亡して、飼い主に心配されてみる
見つけたときにぎゅっと抱きしめてもらう
飼い主の膝の上でナデナデしてもらい、喉をゴロゴロ鳴らす
飼い主に全幅の信頼を寄せてみる
どんだけなん…わたし
秋風
美容室の帰り道
ショートカットにした首筋に
秋風がことのほか冷たく感じる
肩をすくめ身震いひとつ
高く青い空のもと早足で歩き出す
深まる秋を感じる瞬間