【カラフル】
私の目には包帯が巻かれていた。
生まれつき色覚に問題のあった私だが、
手術も成功し、今日やっと包帯を取ることができる。
「ゆっくり目を開けて下さい」
その言葉に従い、私はゆっくりと目を開ける。
衝撃がはしる。
今までモノクロの世界で生きてきた私は知らなかった。
世界がこんなにも色鮮やかだったなんて。
私がこれから、こんなにもカラフルな世界で生きて行くのだと思うと、楽しみで仕方がなかった。
【楽園】
私が楽園の意味を知ったのは子供の頃だった。
けれど大人になった今だからわかる。
楽しいだけでは生きていけない。
幸せなだけでは満たされてない。
生きていくってだけで、楽園からはほど遠い。
社会に生きること、人と関わることも感情があるだけで、
苛立つ事も、不満に思う事もきっとある。
だけど、それらがあるから世の中をより良くしようとする人が、いるのも確かだと思う。
文明が進化し続けているのも、何かに不満を持っていてソレを解消しようとした結果である。
完全な楽園はないけれど、
日々の中にきっとたくさんの幸せが溢れている。
【風に乗って】
春爛漫。
暖かな風が頬を撫でる。
空を押し上げるほどの強い風が吹く。
綿毛たちがその風に乗ってふわふわ飛んでゆく。
私も風に身を任せ、どこか自由に飛んで行きたい。
なんて、ムリなことなんで私は、
春の暖かな日差しを感じながら地面を歩くのだ。
【刹那】
思い浮かんだその刹那、言葉が霧散する。
こうして私は今日も何も書けずにおわる。
そんな事の繰り返しで、書きたいこともかけやしない。
人生も長いようで、過ぎてしまえば刹那的で…。
そんな短い時間をどう有意義に過ごせるのだろう。
そう思いながらも、
私は今日も無駄に時間を浪費するのだろう。
【生きる意味】
みなさんの生きる意味は何ですか?
わたしは気になっている事があるのだが、
生があるから死があるのか、
死があるから生があるのかを。
とある漫画にあったセリフでは、
生とは、死に向かう動作であると。
確かに寿命をまっとうするにしても、
一分一秒とわたしたちは、死に向かって生きている。
そう考えると、私たちの生きる意味はとは
死ぬ為とも言えなくもない、のか…?