この事を人に話してみよ。さすれば貴様の喉は裂け、聞いた者の耳は貫かれるであろう。

人は、七歳までは神の子だ、という。

あの日の約束は覚えているな？
ならば我が子も同然。

約束の日の、子供のままで迎え入れよう。

安心するといい。祭囃子には事欠かない。俗世のことなど、すぐに忘れてしまうだろう。

もしも未来を見れるなら、犬の鳴き声と腐臭、そして鋭角に気をつけろ。

逃げることなどできない。奴らは執念深い。


死を受け入れよ。




（クトゥルフ神話より『ティンダロスの猟犬』）

「君と一緒に」

　なんで、嘘ついたの？

　なんで、傍にいないの？

　なんで、来てくれないの？

　なんで、約束破ったの？

　——なんで、まだ生きてるの？

　「クリスマスイブの夜」とは、正確には二十四日の日没から二十五日の深夜零時までを指すらしい。日付が変わるタイミングの違いなんだとか。
　……と、いうか。そもそも「イブ」自体に夜の意味があるため、意味が重複しているのだ。

　そんな役に立たない雑学が頭を過ぎる。枕元のプレゼントに対応しきれない。一人暮らし数年目、鍵は自分以外持っていない。差出人不明。怖すぎる。
　とりあえず交番にでも持って行こう。あまり目に入れたくないため、玄関口に移動させる。さて、今日の寒さはいかほどか。


　——中から音なんてしない。重心が変わったりなんてしない。ないと思えば、ないのだ。