「遠くの空へ」 #96

拝啓、私の空へ

いつも上手く言葉にできなくてごめん。
いつもあなたに先導してもらってごめん。
いつも隠し事ばかりでごめん。
いつもあなたの寛大さに甘えてしまってごめん。
申し訳なさを感じてばかりなのに、これをあなたに言うことはできないほど、私は弱いです。

届いてしまわないように
「空」と濁すことを許してください。

敬具

「！マークじゃ足りない感情」 #95

好きも　愛してるも　恋しいも　可愛いも

その言葉単体だと足りないから「！」をつけるけど
なんとなく、本当の心が濁ってゆく気がする

「！」には繊細な気持ちは務まらないかもね
だからこそ照れ隠しにも使えるのだけれど。

「君が見た景色」 #94

あなたの瞳に
私はどれほど映っているだろう

あの子の方が多いだろうか
あの子の方が色濃く残るだろうか

あなたの瞳を私で染め上げてしまいたいと思うのは
いけないことなんだろうね

「言葉にならないもの」 #93

私があなたへ抱いている気持ち。

恋情と愛情をやさしく混ぜて
寂しさと嫉妬とやるせなさを切り刻んで誤魔化して
「可愛い」という好意のリボンで飾った気持ち。

言葉にしてしまうのがもったいないなぁと思う。

「真夏の記憶」 #92

私の夏の記憶に、あなたはまだいない。
去年の夏はただの友達だった。
今年は関係は変われど日常に大差はなかった。

夏は、あと少しだけれど、
来年の夏には、あなたが散りばめられた今夏の記憶を思い出せるかしら。