「半袖」 #74

部屋着は冬でも半袖のあなた。
逆に、夏でも長袖の私。

まだあなたのことを何も知らなかった頃。
通話越しの「今半袖だからちょっと寒いかも｣という言葉にすごく驚いたのを覚えている。

それで私も冬に半袖を着てみて風邪をひいてしまったのは内緒にしておこう。

「もしも過去へと行けるなら」 #73

やり直したい過去なんて掃いて捨てるほどある。
過去最低の中間テスト。二分の一を外したくじ引き。体調を崩した合唱コン。渡せなかったバレンタイン。

でも戻りたいとは思わない。
過去でやり直したら今が変わるかもしれないから。
あなたとの最高の関係を崩したくないから。

「True Love」 #72

真実の愛
とは、何のことかしら。

愛する気持ちがあればいい？
自己犠牲こそ至上の愛？
相手を思いやる気持ちのこと？
自分の心の穴を埋めるためのツール？
それとも、相手と自分が通じあってることかしら？

分からない。難しい問題ね。
こんな難しいことを考えてる暇があったらあなたに愛を伝える時間に充てるべきだわ。
たとえそれが真実の愛でなくてもね。

「またいつか」 #71

「好きであなたと付き合ってるの」

意外と照れ屋でいつもはそんなことを口にしないあなたがくれた言葉

私は天上の甘露を知ってしまった
その甘さが忘れられなくて

またいつか、言ってほしい
でも、そんなことあなたには言えないや。

「星を追いかけて」 #70

その煌めきに気付いてしまったとき、
私の全てがそれに奪われた。

ねえ、待って、もうちょっとで手が届くから。
近いように感じた星は、光が強いから近いと錯覚しただけだった。

絶対手に入れる。
星のような彼女との関係だけでなくて、あの子の心を奪ってやる。