「カーテン」 #49
はらり、顔を覗かせる。
ひらり、何も見えなくなる。
じわり、涙が滲んでる。
くすり、笑う声がする。
ふるり、孤独ではなかろうか。
ざわり、誰かがいるようだ。
ふわり、風とカーテンが踊る。
くるり、あなたが振り返る。
ようやく、隠したがりのあなたの全てが見える。
「青く深く」 #48
あなたといえば空色。空といえば青。
だから、私の中であなたは青のイメージが強い。
私はオレンジ色っぽいと言われることが多い。
だが、あなたのことを知るうちに私もあなたに染まってゆくような気がする。
そう、補色である、青色に。
もっと、もっと私をあなたの色に染めて。
より深く、もう後戻りできなくなるところまで。
「夏の気配」 #47
私と同じ日に変えた夏の制服
毛先だけ切られたストレートヘア
いつもよりも少しだけ火照りやすい頬
あなたの変化が私に夏を知らせる。
夏が苦手だった。
なんとなく、何もない感じがするから。
思い出が、触れたら消えてしまいそうだったから。
でも、もう怖くない。
日々のあなたの変化が私の思い出になるから。
いつも気にかけてるのだから、思い出が消える前にまた新しい思い出ができるだろう。
いつも、あなたが近くにいるから、怖くない。
「まだ見ぬ世界へ!」 #46
あなたのこと
この半年でたくさん知った。
好きなもの、好きなこと、好きな人
嫌いなもの、嫌いなこと、嫌いな人
そして、私を「好き」に含めてくれていることも。
好きも嫌いも、得意も苦手も、たくさん、たくさん
でも、まだまだごく一部
だから、もっと、もっと知りたい。
まだ見ぬ世界を、まだ見ぬあなたを!
「最後の声」 #45
喉が弱くて、風邪で声が出なくなることがある。
「ありがとう」も「ごめん」も「好き」も。
普段なら簡単に言えることが急に言えなくなる。
その度に、もしかしたらこれからずっと声が出せなくなるのではないか、という不安に陥るのだ。
もうあなたに言葉を向けられなくなるのではないか、と怖くなるのだ。
だから、万が一これから声が出せなくなってもいいように、あなたに愛を向けておく。
これが、最後の言葉になってもいいように。