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6/15/2025, 2:53:52 PM

「マグカップ」 #34

あなたはよくマグカップを使うらしい。
暖かいものはもちろん、冷たいものを飲むときでさえも、グラスではなくマグカップ。

その小さな手のひらにはやや負担が大きいのではなかろうか。
そう思いつつもきっと可愛いのだろうな、と想像してしまう。
通話越しのあなたのマグカップの音が既に愛しい。

きっと、冬にはココアの入ったマグカップを、いつもはしない萌え袖をして持つのだろう。
早くココアの季節が来ないだろうか。

6/14/2025, 10:31:02 AM

「もしも君が」 #33

もしも君が、私のことが大好きだったら。
きっと毎日のように連絡をくれるだろう。
きっと器用に私に甘えてきてくれるだろう。
きっと溺れるほどの愛情表現をしてくれるだろう。

もしも君が、私のことが大嫌いだったら。
きっと数ヶ月も連絡をくれないだろう。
きっと器用に私のことを避けるだろう。
きっと好きも嫌いも表現してくれないのだろう。

たとえば、君は好きと言いつつ私のことを避けたりする。
君の行動の真意が私には汲み取れない。

6/13/2025, 12:54:54 PM

「君だけのメロディ」 #32

――、 ―、 ―――♪
あなたと繋いだスマホから音が流れてくる。
あなたの指先が紡ぐ、ギターの音。
まだ少したどたどしい、かわいらしい音。

まだ上手く弾けなくて恥ずかしいから、と私にだけ聴かせてくれる音。

途切れ途切れのその流れが、あなただけのメロディとなる。
そしてそれが、私だけが聴いたメロディになる。

6/12/2025, 10:12:28 AM

「I love」 #31

あなたに伝えたいことがある。
でも、「I love you」なんてストレートには伝えられない。

だから、英語が苦手なふりをしてこう言うの。

I don't know how to say this message in English.
So I say it in Japanese.

"Tuki Ga Kirei Desune"

6/11/2025, 10:17:58 AM

「雨音に包まれて」 #30

―――やだっ!ねえ!開けて!!開けてよっ!!

雨が嫌い。雨は怖い。
思い出したくもないトラウマが頭を過ぎるから。

深夜11時。数多の雨粒が窓に打ちつけられている。
明日は大事な大会だというのに寝られない。
怖くて怖くてたまらない。
なんとか心を落ち着けようと明るい画面とにらめっこしているが、文字の上を目が滑るだけ。

そんな中の、あなたからの通知。

「大丈夫?」「結構雨降ってるけど」

強がって、素直に怖いとは言えなかった。
でもあなたはそれを見破って「電話しよ」と一言。

今日の大会に寝不足が響かなかったのは、あなたが安心させてくれたおかげ。

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