「どうしてこの世界は」 #28
どうしてこの世界は思い通りにいかないのだろう。
かっこつけたかったのに失態しか晒さず。
笑わせたかったのにから回って失敗し。
話したいときには上手く話しかけられず。
愛情も好意も照れて言葉にすることができない。
どうして私は思い通りにいかないのだろう。
どうしてあなたは思い通りにいかないのだろう。
「君と歩いた道」 #27
技術室から保健室まで。
私があなたと歩いた道はそこだけかもしれない。
あなたが体調を崩していたのに無理やり学校に来ていた日の二限目。
見るからにしんどそうで、泣きかけていたあなたを保健室に連れて行った。
あなたと歩いた道は涙で染まっている。
だから、これから一緒に歩く道は笑顔で彩っていきたいの。
「夢見る少女のように」 #26
好きなところを思い出す。
したいことを考える。
あの子のことを懸想をする。
夢見る少女のように。
やらかしたことを思い出す。
現状の原因を考える。
最悪の結末を想像する。
怯える少女のように。
きっと夢見る少女は、夢見だけではなく邪推もしている。
「さあ行こう」 #25
考えるよりまず行動、というときがある。
困ったときや怖いときはだいたいそれで片付ける。
でもあなたに対することは、いくら怖くても不安でもそれでは済ませられない。
ノリと勢いで「さあ行こう」と自分に言うことがすごく恐ろしい。
それくらい、あなたは私にとって大切で、かけがえがなくて、愛しくて、恐ろしいもの。
あなたを恐れずに「さあ行こう」と言える日はいつ来るのだろうか
「水たまりに映る空」 #24
雨上がりの放課後。
虹が出た部活終わり。
グラウンドの水たまり。
滅多にお目にかかれない虹に目を奪われていた君は足元の水たまりに気付かずに片足をつっこんでいた。
虹だけに向けられていた君の意識は、たちまち水たまりに向く。
君に意識されていたのが羨ましくて、帰り際に水たまりを覗いてみた。
空も雲も虹も、何も映らない。
ただの土で濁った水たまり。
でもそこに君の驚いた顔が映ったような気がした。