「夢見る少女のように」 #26
好きなところを思い出す。
したいことを考える。
あの子のことを懸想をする。
夢見る少女のように。
やらかしたことを思い出す。
現状の原因を考える。
最悪の結末を想像する。
怯える少女のように。
きっと夢見る少女は、夢見だけではなく邪推もしている。
「さあ行こう」 #25
考えるよりまず行動、というときがある。
困ったときや怖いときはだいたいそれで片付ける。
でもあなたに対することは、いくら怖くても不安でもそれでは済ませられない。
ノリと勢いで「さあ行こう」と自分に言うことがすごく恐ろしい。
それくらい、あなたは私にとって大切で、かけがえがなくて、愛しくて、恐ろしいもの。
あなたを恐れずに「さあ行こう」と言える日はいつ来るのだろうか
「水たまりに映る空」 #24
雨上がりの放課後。
虹が出た部活終わり。
グラウンドの水たまり。
滅多にお目にかかれない虹に目を奪われていた君は足元の水たまりに気付かずに片足をつっこんでいた。
虹だけに向けられていた君の意識は、たちまち水たまりに向く。
君に意識されていたのが羨ましくて、帰り際に水たまりを覗いてみた。
空も雲も虹も、何も映らない。
ただの土で濁った水たまり。
でもそこに君の驚いた顔が映ったような気がした。
「恋か、愛か、それとも」 #23
この甘い感情は本当に恋なのだろうか。
この熱い想いは本当に愛なのだろうか。
それともただの自己満足なのだろうか。
同性を好きになって真っ先に思ったことだった。
異性愛が当たり前と言われる中、この感情は本当に恋と呼ばれるものなのかと不安を感じた。
この想いは愛ではなくただの自己満足ではないかと疑った。
でも、あなたと過ごしていく中で思う。
これを恋と、愛と言わずに何と言うのだろう。
やっぱり私はあなたが好きだと。
「約束だよ」 #22
約束。その言葉のなんと甘やかなことだろう。
明日、また連絡するからね。
来週、また通話しようね。
~日、ここ集合で。
半年記念日、デートしよ。
次のテスト、一緒に勉強しようよ。
次はそっちから、手を繋いでよね。
次は自分から、先に言うから。
私の手帳は、君との約束でいっぱいだ。