以前ここで書いたように人の顔を憶えるのが苦手なので､初対面だと思っても不安な時は「はじめまして…でしたっけ？」と訊くことにしている､失礼だけど｡

＃はじめまして

小説「青が散る」(宮本輝•著)の冒頭､「またね！」とは言ってなかった気もするが､去り際に胸の前で遼平に向けて小さく手を振る夏子の仕草に､遼平はともかく読者の僕は恋に落ちた｡

＃またね！

シベリアへ旅立つ鶫に餞別の
林檎をひとつ餌台に置く
(たぶん鵯が食べてしまうのだろうけど)

＃春風とともに

♪涙のLonely lonely melody
わがまま女のPeriod... あなたが好き
(門あさ美 ♪LONELY LONELY）

当時18〜19歳だった僕は､意味深なタイトルとレコードジャケット､大人の女心を綴った歌詞､メロディ､アレンジ､そして何よりその歌声に魅かれた｡
テレビに出演せず､確かライヴさえもしなかった？､謎めいた女性シンガーソングライター､門あさ美｡ジャケット写真と曲だけで大人の女性への憧れを膨らませた｡
あれから四十年以上経った今日､初めて動く門あさ美を動画サイトで観た｡
情報が溢れ過ぎてる現代をロクでもない時代だと思っていたけれど､良い面もたまにある｡

＃涙

何気ない日日の暮らしに隠れてる
しあわせの種探す喜び

君の持って来てくれたひと枝の梅
咲き初み色無き部屋は華やぐ

＃小さな幸せ