1/27/2026, 12:17:58 PM
『優しさ』
ただ僕は荷物を持ってあげようとしただけなんだ
とてもとても重たい荷物を持っているから、代わりに持ってあげようとしただけなんだ
ふらふらよたよた 見てるこっちが慌ててしまうくらい危なっかしくて
だから僕は持ってあげようとしたんだ
僕はただの親切心だけの行ないだったんだ
なのにあの人が疑うから
荷物を渡そうとしないから
1/27/2026, 7:48:35 AM
『ミッドナイト』
ドスン
家の外からの音で目が覚めた
カーテンの隙間から雪に反射した光が差し込む
凍り付かんばかりの床にできるだけ触れないように
そろりそろりと素足で歩く
長靴を履いて扉を開ければ
極寒なんて忘れてしまうような銀世界
よく見知ったはずのそこがいつもと違う様子だから
このまま旅に出てみたくなった
クシュン
やっぱり 布団の中で旅の続きを見ることにしよう
1/23/2026, 1:58:51 AM
『タイムマシーン』
鉄腕アトムの人形を握りしめた僕は60年後へ駆け出した
みんな夢のような箱を握りしめていた
たくさんの乗り物が走っていた
どうやら掃除も洗濯も食器洗いもみんな機械がやってくれるらしい
綺麗な建物もたくさんあった
でも
みんな暗い顔をしていた
1/21/2026, 12:22:14 PM
『特別な夜』
特別な夜だから ロウソクに火を灯そう
特別な夜だから 溢れんばかりにお湯を張ろう
特別な夜だから 星屑のようにきらめく入浴剤を入れよう
特別な夜だから これからの人生を共にするであろう人をここへ呼ぼう
私はつま先から勢いよく体を浸す
特別な夜は まだら模様のタイルを伝い 女と財布と共に流れていった。
1/21/2026, 12:40:14 AM
『海の底』
薄暗く息の詰まるその場所で時折きらりと横切る鱗。
やっと見つけた光。泳いで泳いでやっと手の届くところまで。
気がつくと私の腹の中がキラキラと揺らめいていた。