闇の精霊

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12/4/2024, 10:58:53 AM

【夢と現実】
ずーっとずーっとずーっとずーっと永遠に永久に眠っていたい。甘ったれと罵られてもいい。救いようのない屑と罵られてもいい。先輩がいる夢に捕らわれていたい。
「現実で成す事があるだろう?辛くても進む。そう決めたのは…」
「君だろう?」
覗き込んでくる表情一つ変わらないその茶色の瞳は酷く冷たかった。俺をからかうあまり感情の読めないあの瞳が恋しい。お前なんて偽物だ。夢から覚ますならもっとマシな手を使え!
「そうかい。君の大嫌いな目をすれば戻ってくれるのか。良い事を聞いた。フフフッ」
顔面に息がかかる距離。つい、見てしまった艶やかな唇から瞳に視線を移すと瞳孔が縦に長く、此方を嘲る様な冷ややかな。そう…大嫌いな蛇の瞳。全身から冷や汗が吹き出す。叫びたくもなったがそれよりも怒りが勝る。先輩は…蛇じゃない!あんな…!あんなッ!下劣でずる賢いおぞましいものじゃない!
「蛇だよ。執着で狂わせて悪い悪い蛇に変えたのだから蛇さ」
違う!違う!違う!
「この血には蛇の血が流れている。それは紛れもない事実。それを否定してくれるのだろう?血族のしがらみを何とかしてくれるのだろう?意思の弱い君を私は望んでいない」
突き付けられる現実。止めてくれ。責めないで。許して。毛布を被って頭を抱えて丸まる。
「夢というのは全てが甘美じゃない。悪夢から目覚めてくれ。今、君に映る私は蛇かい?愛しの先輩かい?」
布団から顔を出す。背を向けていた先輩がどちらかだったのか。目覚めた今では分かりようもない。汗でびしょびしょだ。顔でも洗おう…。真実と甘い幻が織り交じる…悪夢。気が狂いそうだ。詐欺師よりたちが悪い。だが、奴への復讐心を忘れずに済んだのは良い事だとする。それだけで…生きてる。

12/3/2024, 11:15:15 AM

【さよならは言わないで】
あぁ、手遅れだったかもね。またねが言える程の状態じゃなかったからさ。再び会う。彼に合わせる面なんてない。現世の全てを押し付けてきたのだから。亡者に出来ない事をね。ほら、再びなんて言えた義理じゃないだろう?でも、彼は私に執着している。哀れな蛇さ。ゴメンね。届かない謝罪なんて意味などないけれど言うだけさ。エゴで己の心を軽くさせてくれ。贖罪出来るならしてやってもいい。だけれど、物理的に無理なのさ。それに自己中心的なのは謝罪しても治りはしない。フフフッ。哀れな亡者だよ。

12/2/2024, 12:26:44 PM

【光と闇の狭間で】
うつつにて主人格の生活を見ている。友人に囲まれ、真面目に授業を受けて、レポートを提出する。同好会等には属さず、コンビニバイトに勤しみ、同僚や店長に愛されて、たまに常連の顔を覚えて先に煙草を手渡して喜ばれる。業務が終われば真っ直ぐに帰宅して、休日に購入した食材を取り出し調理して、入浴かシャワーか悩み、結局シャワーを浴びて、SNSを閲覧して、眠る。そして、意識が闇に溶けると俺が表に出る。俺は事務所に赴き、人を殺して金を得る。まさしく、光と闇。狭間は俺の存在する場所。主人格は闇など。俺など知らずにのうのうと普通に生きるのさ。

12/1/2024, 2:53:50 PM

【距離】
色んな距離があるけれど人間関係の距離が一番大切だと思うよ。距離感バグってる人とは関わりたくないしね。

11/30/2024, 12:26:12 PM

【泣かないで】
すっかり冬だね。とても寒い。だけど、死者には関係のない話か。あんなに手をかじかませてまで墓石に水をかけなくてもいいのに。彼は律儀だね。私の事など忘れても良いというのに。花もいつも鮮度の良いものを供えてくれる。生者にとって花代は馬鹿にならないだろうに。そんなにあの夏で彼の脳を焼いてしまったのか。私は。無責任である自覚は多少なりともあるけれどここまで胸が苦しいなんて初めてだよ。罪悪感。それも初めて感じる。罪…か。悪い事をしてしまったがここからじゃ何も出来ないのさ。
「…え?泣いてる?」
ん?私が?ははっ。死者が涙を流す訳がない。そんな訳がある筈がない。声を掛けてくれて感謝するがもう来なくてもいい。こんな面晒せないよ。私は理想の先輩。それであり続ける事が彼への…なんなのだろうね。贖罪?慰み?まあいい。夏にはまた会いに行く。君の憎悪、その涙。解決は出来ないがいつだって側にいるよ。だから、泣く必要はないのさ。

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