「ダネ… ダネ、フシッ」


なんといったのかわからない言葉だったが、すぐに解った。

いつからだろう。
モンスターボールを手にした時から？
強くなる周りと比べて、弱虫なキミを責め立てて喧嘩した時から？
戦って傷ついたキミを抱いて、泣きながらポケモンセンターに走った日から？

気がつけばずっと隣り合わせで。
眠くなったらお互いにもたれあって。
キミの額に鼻を擦り付けた時、少しだけ青いような土の香りがしたのも、良かったなぁ、なんて。


大丈夫だよ、そんな、泣きそうな顔でそんな話さなくても。
キミの居場所はそこで間違ってない。
寂しいのは今だけだよ。

そうだね。また会いましょう。

朝起きて、仕事して、無心で嫌味を耐える。
心と離反した笑顔でありがとうございますと繰り返す。
日を越えるごとに永遠にも感じる苦痛で身体が警報を鳴らす。

どうしようかなぁ。

きみと巡り会えたら
なにをはなそう？わかんない。

あなたと巡り会えたら
きっと吐き出しちゃうんだ、毒が、抜けなくて

きれいじゃないわたしはいらない子、かなぁ。

もうきっと訪れない巡り合わせに未来をみてる。

時折、衝動的に思い返す

あーのこーはだーれだ
あーのこーがほーしい

そーだんしましょ
そうしましょ

懐かしいはやしを歌った後、こそこそ、内緒話するために皆は手を離して輪になる
ただ、その時、ずっと左端にいた私の右手は温かくて

冗談めいて、今は繋がなくていいんだよー？みたいに言ったっけ？

無言のまま握り返されたのは今も私の中に残ってる
大事な、大事な、初恋の人との思い出だから

今の君は夢を掴めたんだよね？
わからないけど、ずっと応援してるよ。

叶うなら、君と話したいな。


奇跡をもう一度

今日も不安定
明日もきっと不安定
泥濘んでる足場で明後日を考えて、嘆く