花咲いて
3月のとある日。
外は麗らかな風が吹いているようで、庭の沈丁花がゆらゆらと気持ちよさそうになびいている。
そんな中俺はパソコンをじっと睨みつけている。
心臓の鼓動が喉に伝わって、
無意味に何度も唾を飲み込む。
部屋は心地いい温度なはずなのに、
信じられないくらいの汗が流れる。
そのくせ手先は氷のように冷たい。
震える手でマウスを握って、クリックする。
「合格」
全身の力が一気に抜けた。
フワフワする。
ほんとに、、受かった。
先生に無理だと言われた志望校。
貫いたけど、現役の時は歯が立たずに破れた。
それでも諦めきれず一浪する道を選んだ。
周りはみんな大学生になった中、自分の選択に不安を覚える日もあった。
けど、、俺にも春が来ました。
やっとやっと春が来ました。
桜の花が咲きました。
ありがとう。俺を支えてくれた全ての人に感謝。
そして諦めずに足掻ききった俺自身にも感謝。
よく頑張ったな、俺。
かっこええ医者になろうな。
もしもタイムマシンがあったなら
中学生時代に戻りたい。
一年三組に戻りたい。
おい自分、今隣の席にいる奴のこと結構好きだぞ。
いや、めちゃくちゃ好きだぞ。
早く気づけ。
そして、行動しろ。
さもないとそいつ、他のクラスメイトに取られるぞ。
今でもたまに後悔してる。
とにかく早く自分の心に素直になれよ。
今一番欲しいもの
私は「夢」が欲しい。
小さい頃は持っていたはずなのに、
気がつけば手放していた。
あの頃は絶対叶えられるって思ってたけど、
歳をとるにつれ、悪い意味で現実が見えてしまった。
夢に向かって進んでいくことが辛くなってしまった。
楽しかったはずの努力が、
いつのまにか苦痛になっていた。
こんな私だけど、新しい夢を見ていいですか。
もはや叶えられるかどうかなんて二の次なんだ。
夢に向かって足掻く事を楽しめる、そんなクレイジーな大人になりたい。
私の名前
凄く自然に、ごく当たり前というように
君は私の名前を呼んだ。
昨日までは苗字だったのに。
でも、バレてるよ。
君の頬が赤く染まっていること。
視線の先にはいつも、君がいる。
気がつけば目で追っている。
これが恋だと気づくのはまだ先の話。