君と見た虹
放課後。窓を開ける。
それまで籠っていた熱気がふぁっと逃げていく。
窓から身を乗り出す。
心地よい風が、汗でぐっしょり濡れた頭を撫でてゆく。
見上げると、虹。
「おおーー!!虹だぁーーー!!!ふぉーーー!」
俺の隣で発狂している奴が2名。
相変わらずこいつらは騒がしい。
…
次の虹も、こいつらと一緒に見れたらな。
少々青い事を考えてしまった、15の夏。
距離
人との距離は難しい。
友人の嫌なところが見え始めたら
きっと近づきすぎの合図。
自分の嫌なところばかりが目につくのは
自分との距離が近すぎる合図。
相手とも、自分とも
適度な距離はとった方がいい。
近くで見ると凸凹で歪でも
遠くから眺めたら案外綺麗だったりする。
冬のはじまり
私の友達はクリスマスをとても楽しみにしている。
話を聞くところによると、
彼女は恋人と一緒にディナーを食べに行くらしい。
その日に着ていく服の候補を10枚くらい見せてくれた。
満面の笑みでzozoを開く彼女を見ているとこっちも幸せな気持ちになった。
という話を私の恋人にしてみた。
そして、「今年のクリスマス何かする?」
と聞いてみた。
そうすると彼は「実家に帰る!!」
と満面の笑みで言った笑
普通の人ならブチ切れそうな案件だが、
私は思わず笑った。そして全力で承諾した。
私は、この人のそういう世間の空気が読めなくて無頓着なところが好きなのだ。
恐らく何年先もこの人と聖なる夜を過ごすことはないのだろう笑
だけど毎日が特別で面白い。
だからそれでいい。
さーて、今年のクリスマスはワイン片手に1人でNetflixでも観るとしますか。ワクワクが止まらない。
夫婦
価値観が違うという理由で別れる人が多いらしい。
価値観が違うのってしんどい。
けど、その違いを楽しめるようになりたい。
いつからなんだろう。
自分の基準がいちばん正しいと思ってしまうのは。
夫婦もそれぞれのバックグランドを持っている。
生まれた場所、育てられた人、出会ってきた人、学校や仕事、全部違う。
そんな2人が生活を共にするって、そりゃ難しい。
だけど、だからこそ、面白い。
日々新しい気づきがあって、新しい葛藤が生まれる。
んん?ってなる度に、
自分と向き合う。相手とも向き合う。
そうやって、新しい価値観を2人で作り上げる。
なんて人間らしい、素敵な成長なんだろうか。
「キャンドル」
宿泊学習最終日の夜。
僕たちは真っ暗な体育館に集められた。
そして1人一つずつ、キャンドルが渡された。
「キャンドルナイト」とやらが始まるらしい。
クラスの女子達は、騒ぎながら、
こぞってスマホで写真を撮りはじめる。
でも、隣の席の酒井さんは
ひとり真剣な表情でキャンドルを眺めてた。
普段はうるさくて騒がしいくせに。
蝋燭の火で照らされた
その横顔を見たあの日から、
僕は君のことが気になり出したんだ。