君に会いたくて、でも会う口実がなくて。
「ばーちゃんに沢山柿もらったからお裾分けするわ。
学校終わりにうちきてや。」
どんな口実だよ。大田舎すぎる。自分で突っ込む。
でも鈍感な君は柿に釣られて、
ノコノコとうちにやってくる。
そして柿を受け取った君は、
「これうちの母ちゃんから!いつもありがとうだって!」
そう言いながら、たくさんのお野菜が入った袋を満面の笑みで差し出してくる。
「あ、うん、ありがとう」
私がそう言い終える前に、「じゃねー!ありがとー!」と言いながら君は走り出す。
…あーあ、全然喋れなかった。
手元に残る青々とした葉っぱが沢山ついたお大根を見つめながらため息をつく。
口実とかなく、ただ会いたいっていう理由で会える日が来るといいなぁ。
とりあえず今日の晩御飯はお大根の煮物にしよっかな、
私は大きく息を吸い込んで腕まくりをした。
燃える葉
去年の今頃。
「来年もこの紅葉一緒に見にこよう」
そう約束した人はもういない。
木々が燃ゆる中
私の心は冷たいままだ。
“もしも君が”
貴方は、
「あの時俺は受験に失敗していなければ…」
とよく溢しますね。
確かに、合格していたら貴方にとって
もっと楽しい人生が待っていたのかもしれませんね。
でも、
もしも貴方が合格していたら
私と貴方はきっと出会えなかった。
私はこんなに大事にしたいと思える人に出会えた。
私は貴方と出会えていろんな感情を知れた。
幸せ、楽しみ、悲しみ、モヤモヤ、、、
全部、貴方と出会わなければ
知ることのなかった感情。
それは宝物です。
それに、貴方は「負け」を知っている。
だからこその優しさと強さを持っている。
だから、過去を振り返って後悔するのは
もうやめて欲しいんだ。
貴方も自分の人生を誇りに持って生きてほしい。
私は貴方と出会えて幸せなの。
君と見た虹
放課後。窓を開ける。
それまで籠っていた熱気がふぁっと逃げていく。
窓から身を乗り出す。
心地よい風が、汗でぐっしょり濡れた頭を撫でてゆく。
見上げると、虹。
「おおーー!!虹だぁーーー!!!ふぉーーー!」
俺の隣で発狂している奴が2名。
相変わらずこいつらは騒がしい。
…
次の虹も、こいつらと一緒に見れたらな。
少々青い事を考えてしまった、15の夏。
距離
人との距離は難しい。
友人の嫌なところが見え始めたら
きっと近づきすぎの合図。
自分の嫌なところばかりが目につくのは
自分との距離が近すぎる合図。
相手とも、自分とも
適度な距離はとった方がいい。
近くで見ると凸凹で歪でも
遠くから眺めたら案外綺麗だったりする。