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7/2/2024, 3:28:23 PM

真夏の海でただがむしゃらにヨットの練習に励んだ高校時代。海面から照り上がる強い日差しが身体中に刺さる。サングラスをかけていても目が痛い。肌は真っ黒に焼けた。髪は恐ろしい程に傷んだ。足には沢山のアザが出来た。SNSで見るキラキラした華のJ Kとはかけ離れた見た目をしていた。
けれども、そんな自分が好きだった。
あの風を斬る感覚。波に乗る快感。微かに感じる塩の味。いつも私が主役だと思わせてくれる太陽。
ただひたすらにヨットを走らせていた。ただそれだけの時間が、その軌跡が、私にとってはかけがえのないものだったのだ。
今は社会に出て、みんなと同じように容姿にもある程度気を配るようになった。メイクだって結構上手だし、髪だって綺麗になった。日焼け止めもくまなく塗っている。周りに綺麗になったね、垢抜けたねってたくさん言われる。
でも、少し、虚しいんだ。
上部だけ取り繕っているこの感覚が虚しいんだ。
あの、ただがむしゃらに足掻いた自分の愚直さ、純粋さが失われているような感じがして。
あぁ、日焼けなんて気にせずあの真っ直ぐな日差しにあたりたい。