頭が痛い。一体どのくらい眠らされたのだろう。
身体が動かない。縄で浮輪に自分が縛られている。
目の前には、何メートルぐらいあるのかすら
分からない程に下に長く続く滝が断末魔のように
大きい音を鳴らしていた。
あと数分で自分はその長く続く滝の下に行くのだろう。
自然と死ぬのが怖くなかった。
私は虐められていた。
死んだら楽になる。あっちも「私が死んだら清々する」
ぐらいに思っているのだろう。なんなら私を
ここまで連れて来たのもアイツらなのかもしれない。
望んでいるんだ。私が死ぬのを。
死んだらもう、あの地獄のような毎日を
送らなくてもいい。学校に行くだけで死ねって
言われて、お弁当の中に虫や埃を入れられ、便器の中に
顔を突っ込まれて、香水を頭からかけられて、
死んだらもう、あんな事をあんな気持ちに
ならなくていい。なんて楽なんだ。嬉しい。
楽しみなぐらいだ。でも、手が震えてる。
血の気が引いて、手が冷たい。涙が出る。本当は怖い。
でも、死にたいのは本心だ。私にも仲がいい人が1人いた
その人と最後に喋りたかったかな...会いたかったな...。
遭難した。誰もこんな吹雪の中いるはずが無い。
寒い。暗い。怖い。自分は死ぬのか。
誰か、誰でもいい誰でもいいから助けに来てくれないか
あぁ立てなくなってきた。足も手も
もう殆ど感覚が無い。自分はこんな誰にも
見つけて貰えなそうなところで死ぬのか...
「誰か...助けて...」
そう呟いた瞬間、視界に血色のない青白い白目の女が
映った。
こんな凄い吹雪の中に人がいるはずが無いと思いながら
意識が朦朧とする中、人間かも分からない奴に
「助けて」と縋りつきたくて堪らなかった。
それが誰かなんて考えなくても分かる。
生きていない人間だと。
私を迎えに来た死神なのだろうと。
怖い。恐い。逃げ出したい。思い切り走りたい。
死にたくない。家に帰りたい。
はぁと吐くと息が白くなる季節になった。
愛犬の散歩でよくする。だが愛犬がやるその行動の
可愛さは異次元だ。
あの人が好き。喋ったことは無い。
諦められない。消えない灯りみたいだ
冬は寒くてあまり好きじゃない。
だが、きらきらと光街並みは冬特有で好きだ。