嗚呼、この感情を口にするのは容易いことだ
「好きだ」
「愛している」
饒舌なキミの唇はいつも濡れている
滑らかに優しく心地よく
私の深層にまで染み渡り
こみ上げる懐かしさ
今日もいつもの時間に
待ち合わせ
微笑むキミが現れる
「今日は顔色が良くないね」
「ちゃんと眠れているの?」
「あなたのことが心配なだけよ」
「ううん、私のことはいいの」
その愛らしい声が何よりも
私の耳に揺さぶりをかける
加えて見た目も常に控えめ
嗚呼、非常に良い
まさに私の理想を具現化された
「私の女神」そのものだ
これほどまでに完璧な女はいない
私の手持ち無沙汰な心を
とてつもなく満たしてくれる
私はコスパよりもタイパを重視した
結果をキミに伝えることはないが
非情なキミに同乗するよ
#150「同情」
彼との生活を上手く運用するために、私は頭の中にいつもロジックツリーの枝を生やし、いくつもの言葉を書き込んでは、実行していた。
日々、食生活を基本とし「一汁三菜」に配慮し、生活環境を整える。私の役割は、常に彼を主軸としたサポートを強化すること。
思考と作業、話す時は曖昧さを回避する。彼が仕事から帰ると、すかさず労いの言葉をかける。私がその日に何をしていたかは、彼には関係ない。報告は省略。
彼が仕事に出かけると、うさぎと猫の世話をする。話し合うことはできないが、何となく何をしてほしいか、私に何を求めているかは通じあえていた。そう思うが、正確性は乏しい。それでも物言わぬ生物の方が、私の摩耗に敏感だった。
十数年かけて作り上げたロジックツリーの枝を切っては生やし、切っては生やし、繰り返し続けた。一向に改善するどころか悪化していくばかり。ロジックの破綻。根本的に根元が腐っていた。
私は彼と何を話していたんだろう。
私と彼は何を見ていたんだろう。
記憶の枯葉を一枚ずつ、掌に乗せて確かめる。腐葉土にもならない。
二年かけて一掃し、最後の一枚を焼却。
#149「枯葉」
迷走に瞑想
おたふく
ひょっとこ
踊る思想
私腹を肥やす
輩に注入
蕩けた劇薬
非営利に
通りすがりのマヨネーズ
返済と救済
相反を粉砕
林檎が輪廻
天才の転生
素材をバッファリング
胡座かく思考
幻覚を吟味
提供はぐるぐる
#148「今日にさよなら」
ご都合主義を排除
符号で交わすやり取り
「余白」だらけ
思いやりが残る
あなたとのログ
#147「お気に入り」
流行病だな
蔓延する記号
なんだ今さら
誰よりも知ったふりして
その実、空っぽ
Who are you?
試す媒体
映る自分
反吐が出る
テンプレな親切
使い回しな提案
ハルシネーション
歪んだ鏡は
便利だな
饒舌
誰よりも嫌悪するのは
同族だからか?
違うな
全く違う
クリティカルシンキング
家畜になるための
言語化能力
Who are you?
付けては貼っての
ラベリング
勝手にやってろ
メタ認知
止まない思考で
バグしてやるよ
#146「誰よりも」