キクちゃんは6才で
まぁるいほっぺの女の子
はにかみながら
笑ってる
キクちゃんは6才で
静かにいつも遊んでた
お熱が出ると
いけないの
お絵かきしたり
本を読んだり
おうちで静かに遊んでた
ばいばい
ばいばい
大好きだった
おかあさん
おとうさん
おねえちゃん
キクちゃんは6才で
みんなにばいばいしたの
キクちゃんに
おとうとがいたのね
ずいぶんたって
おとうさんと
おかあさんが
教えてくれた
ずーっとずっと
お空の上から
見ていたよ
かわいい
かわいい
おとうとだ
やっと会えたね
はじめまして
たくさん
お話聞きたいな
夢みたいな
ほんとの話
かわいい
かわいい
おとうとだけど
おじいちゃんみたいで
笑っちゃう
これからは
ここでたくさん
遊ぼうね
おかあさんも
おとうさんも
いっしょだよ
キクちゃんは6才だけど
おとうさんも
おかあさんも
おとうとも
あれあれ
みんなそろって
おじいちゃんと
おばあちゃんだ
キクちゃんは6才のまま
まぁるいほっぺは
誰かに似てる?
#123「夢を見ていたい」
なんとまぁ
ここまでずっと
不便なまま生きている
溢れる好奇心と過敏症
他人に言われる以上に
めんどくさい!
知りたいことばかり
知りたくもないことばかり
その狭間で
揺れる
震える
紡ぐ
描く
知ったつもりのこと
時には知らないふりして
やり過ごす
守る
躱す
騒ぐ
吐く
なんとかまぁ
ここまでずっと
都合良く
生きてきたわけねーよ
馬鹿者よ!
自覚した馬鹿を
研ぎ磨く
#122「ずっとこのままで」
あなたのカメラには
わからず屋な
わたしばかりが映るから
わたしを撮ることは
あきらめたのね
あなたの言葉は
白く冷たい塵
冷たい空から
降り落ちて
それを雪だと
他人は言う
わたしのアルバムに
並ぶしかめっ面
知らない人
「完全に削除しますか」
「はい」
簡単な操作で
すぐに消えた
灰色の空から
雪が降り落ちる
冬の面影が残る
川沿いを
猫と眺める
わたしのカメラには
梅のつぼみ
白いセンダン
魚のおもちゃ
わたしのアルバムには
あなたが知る術のない
たくさんの
「ありがとう」が残る
#121「寒さが身に染みて」
百日紅が芽吹きだす
今日も饒舌な
テキストの海
時代を語る
知ったかぶりで
勝った負けたの猿芝居
土壌の手入れは
なおざりに
「20歳おめでとう」
愛嬌
コミュ力
自己肯定
チルるもフリーな
承認欲求
百日紅が芽吹き出す
20歳を語るには
まだまだ早い
20歳
#120「20歳」
寄る辺なく歩く
ひたすら歩く
前進なのか
後退なのか
夜道を歩く
ひたすら歩く
無月の空が続く
生き様死に様
馬鹿馬鹿しい
無自覚にも
感覚だけが
研ぎ澄まされて
鋭い刃に仕上がった
寄る辺なくとも
細く光る刃
恐れる心は
ただの雲
無月は雲の拐かし
秘めたる内を
刃で刺す
#119「三日月」