【夏の忘れ物を探しに】



宝箱を、見つけ。
中には子供の頃に入れた、自分が大事にしてた宝物。
写真の中にいる君が、
今は僕の横でずっと笑ってくれている
そんな当たり障りのない夏の終わり。

夏の忘れ物を探して、貴方に会えた。私も貴方の家族になれて良かったです。

あの夏の日、忘れ物を探してなければ今の私達はいなかった。

【ふたり】
「また、明日ね」
「うん、じゃあねまた明日」
いつも、ふたりは一緒に帰っていつも通りに過ごしていた。
けれどある日「また、明日ね。」
ひとりが挨拶した。
それだけしか聞こえない。
もう一度、いや、この世界に別れを告げる時はふたりでいかったよ。と、ひとりが大声で泣きじゃくりながら
“ふたり”の道を帰っていく。

【心の中の風景は】
真っ暗、黒、漆黒……。
どれだけ探しても
辺りを見渡しても、
もう手遅れ。
心の中の風景は、
誰にも見せれない程の黒に染まった。

【夏草】

拝啓〇〇様へ


あの日の出来事は、
忘れることはありません。
特別なことでしたからね。

夏草、
青々とした緑が一面に広がり
風になびくあの光景を見ると
夏の思い出がよみがえりますわ。

そうね、
またあの場所で会いましょう。

夏終わりに貴方に会った■■より。

【ここにある】
あぁ、そうなのか。
やっと、やっと気づいたんだ。



ここにあるのは、


貴方の物語だったんだ。