「優越感、劣等感」
学生時代、身長が高くコンプレックスであった
目立ちたくなくても目立つため、背中を丸めて過ごす毎日
「貴女のせいで黒板が見えないのよ」と言われた時は結構傷ついたものである
都会に出ると運良く周りの背も高かった。私は目立ちすぎる事がなくなり、遅ればせながらハイヒールを楽しんだ
ハイヒールを履くと背筋が伸びる。母に「ハイヒールを履いてるのに猫背だとエヴァンゲリオンみたいよ」と言われ、意識して伸ばす
背筋が伸びれば、私は私の事を少しだけ受け入れ好きになれた
「これまでずっと」
***
「1件のLINE」
「久しぶり、もしかして子どもいる?」
高校のクラスメイトからのLINEである。友達の友達くらいの関係でそこまで接点がなかったはずだが、突然何なのだ
LINEのホーム画面が子どもの写真だったので恐らくそれで分かったのだろうが、突然すぎて怖い。マルチの勧誘だったらどうしよう…(マルチトラウマ)
話しているうちに彼女にも子どもがいる事がわかった。ホーム画面にいた私の子が自分の子と同じくらいの年頃のため気になって連絡してしまったようだった。トントン拍子で会う事になり、それから彼女とその子ども達とは仲良くしている
◇ ◇ ◇
子どもの話がひと段落した頃。また彼女からLINEが来た
「そういえば共通の友達が今度結婚式挙げるんだけど、友達の旦那さんがサプライズ計画してるんだって!貴女にも友達にお手紙書いて欲しいなと思ってるんだ。あともし友達の写真があればください」
ああ、さてはこっちが本題だな…?この話をしようとして私のホーム画面を見て、本題を忘れたんだな…?
「目が覚めると」
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「私の当たり前」
私は生まれつき背が高い
学生時代はクラスで一番背の高い女子の座を常にキープしていた。最終的には170cmで止まった
この人は背が低いなというのは分かる。目を合わせるときの視線がめちゃくちゃ低くなるからだ
この人170cm以上あるなというのも分かる。目を合わせるときの視線が高くなるからだ
155cm〜168cmくらいの人はだいたい皆同じくらいに見えている。目線を合わせるときの視線が慣れた角度なのだ
まれに165cm以上168cm以下の女性からは「私、実は背が高いのよ」とカミングアウトされる事がある。本当だ…、高い。全然気付かなかった