〈お題:記憶〉
昔々、あるところにツム太郎さんがおりました。
あぁ、なんたることだ。
現在は務所暮らしなようです。
経緯はなんだったかなぁ…あー。
思い出せないが、しかし悪いことをよくする奴だった。風の噂で脱獄に失敗したとかなんとか。
実の所、今何をやっているかわからない。
脱獄なんて上手くいかないとそう思うんだがなぁ、何度か成功したらしいじゃないか。
本人もどんな罪で捕まったか覚えてないんじゃないか。…なんだって、唯犯罪を数えるのをやめただけだって!全く、真生の悪だね。
無期懲役がいいと思うんだがね、脱獄するんじゃ…え?5円チョコを盗んだだって?
まさか…工場を襲撃するなんてな。
前はどっかの事務所を襲撃したんじゃなかったか?…そうそう、命知らずだなぁ。
え?印象か…愉快な奴だったな。
今度、その悪い行いが認められてついに、死刑判決か言い渡されるって専らの噂だね。
…あと500年も経てば老いて動けなくなるか。
〈お題:さぁ冒険だ〉
朝起きたら顔を洗う。
冷たい水に触れる勇気を賞賛しよう。
顔を冷や水で洗いながらぼんやり考える。
今日は一日…。日常だ。変わり映えしない。
いつもと同じ。"それは嫌だ"そう感じた時が踏み出す絶好の機会である。
朝食をいつもより豪勢に。いつもの日課に一手間を加えるか。それでは物足りない。
時間が有れば、まだ見ぬお食事処なんかに行くのも一つ。
それでは時間がかかり過ぎる。
或いはそんな時間がない。
そんな時は、小さな冒険をする。
例えば、時間の掛からない冒険を。
「時間に余裕ができた時、〜〜をしよう!」
〜〜に当てはまる言葉は好きな物を。
ただ少し、昨日はしていなかった事を。
〜花見をしよう。〜夢を友人と語ろう。〜旧友に連絡を取ってみよう。〜夜、散歩に出掛けてみよう。〜月をしっかり観察してみよう。〜お風呂のお湯にいつもより長く浸かってみよう。
或いは入浴剤を変えてみるとか。
意識的にいつもと違う事をする時に、唱えて欲しい言葉がある。
「さぁ冒険の始まりだ!」
小さな冒険が味気なければ次はもっと大きな冒険を。
〈お題:ひそかな想い〉
私は、今。とても…。
〈お題:手紙の行方〉
あの日の手紙の、その後がどうなったのか。
吾輩がその行方を知る事は叶わない。
手紙。
その在り方一つ、一見して中身が分からぬから読み手に効果を発揮する。
手紙とは、込められた想いが封を切って読み手に渡り、やがて想いが帰る場所となる。
手紙は想いの形であって、色褪せはしない。
手紙が残れば思いも残る。
良かれ悪かれ手紙は手紙。
手紙はどこ吹く風に馳せている。
〈お題:時間よ止まれ〉