6/2/2025, 11:47:56 AM
「明日天気になーれ」
君がそう言って傘を差し出してくれた日から
僕も雨を少しだけ愛せるようになった。
明けない夜はない、
やまない雨はない、と君が教えてくれた。
それでも君は明けない夜もやまない雨も愛してくれる。
だから僕はあんなに怖かった激しい雨の日も真っ暗な夜も
安心して過ごせるようになった。
君がいつでも傘を差し出して
「ほら、いい天気になったでしょ?」と笑うから。
傘の間からチラリと見える君の笑顔に救われた。
草木に跳ねる水滴に、光が当たって君の笑顔を照らす。
「もう大丈夫」
雨は上がったよ。
『雨上がり』