須藤 東

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5/30/2025, 8:14:43 AM

「薔薇から」

大人になれたら花になれ
小さな花の二つ三つで構わない
雨ならひらけるだけでいい
大きな花に嫉妬はするな

大人になれたら花になれ
綺麗すぎない花がいい
綺麗な花になれたとしても
枯れゆくことに無理はするな

大人になれたら花になれ
瞠(みつ)められない花でいい
瞠められないからと
自分が愛されない理由をそれでつくるな

大人になれたら花になれ
自分を愛する香りにも
正当な根拠が必要なのだ
火のとおりかけた薔薇から

風が聞こえる
秋のときめき
手の甲の明滅
蟻の輝き

5/24/2025, 9:11:51 AM

『腕力』

腕力とは重さを手にする力でなく
曇りを抱きしめられる力のことだ

5/15/2025, 8:07:41 AM

『花の怪獣』

だって人間だったら
だれもおれのこと
好きにならなかったから

4/28/2025, 1:16:02 PM

『花で嘘をつかれた夜から』

ぜんぶ夜が花で
できていたなんて
君におしえて
もらえなかったら
夜は深い海だと
思い込んで
今でも生きていたのでしょう
ぜんぶ君も花で
できていてたなんて
私に言って
くれなかったから
朝は広い時間から
今でも覚めることが嫌い


4/13/2025, 10:32:51 AM

『かがやく言葉』

君にかがやく言葉をあげる
星もオーロラも
君にあげたいけれど
あげられない
だから代わりに
君にかがやく言葉をあげる
朝の空っぽな悲しみも
夜の震える寂しさも
消してあげたいけど
君にそうしてあげられない
だけど代わりに
君にかがやく言葉をあげる
それは手紙にして
ガラスの封筒に手紙をいれて
この毎日にさざめいている
いろんな花が咲いてるなかの
薄い花びらを切手にして

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