『花で嘘をつかれた夜から』
ぜんぶ夜が花で
できていたなんて
君におしえて
もらえなかったら
夜は深い海だと
思い込んで
今でも生きていたのでしょう
ぜんぶ君も花で
できていてたなんて
私に言って
くれなかったから
朝は広い時間から
今でも覚めることが嫌い
『かがやく言葉』
君にかがやく言葉をあげる
星もオーロラも
君にあげたいけれど
あげられない
だから代わりに
君にかがやく言葉をあげる
朝の空っぽな悲しみも
夜の震える寂しさも
消してあげたいけど
君にそうしてあげられない
だけど代わりに
君にかがやく言葉をあげる
それは手紙にして
ガラスの封筒に手紙をいれて
この毎日にさざめいている
いろんな花が咲いてるなかの
薄い花びらを切手にして
「告白」
あなたが続けてきた努力が
なに一つとして無駄じゃない
その証明を差し上げます
あなたは今から
わたしの言うことに
うなずいてほしい
「好きです。あなたが」
「アンドロメダ」
君も我が人生に於いて
出逢えない恋人なんだよ
君は私を知らないし
私は君の顔も知らない
相容れない恋人
例えば朝に私が生きているならば
例えば夜に君は生きている
アンドロメダの輝く孤独に
距離は関係ない
水平線が天に傾いたとしても
だからこそ君も生きていろよ
私が今そうであるから君も
「来た。」
弱いと思いこんで
生きて来たのでしょう
本当に弱いならとうに
私とこうして
生きて出会うことは
なかったでしょう
だからあなたに
私から交渉があります
私の持ってる泣く権利と
あなたの泣く権利を
およそ半分ずつ交換しましょう
そうすればあなたも私も
公平に泣き合えると思いますから
本当に
「君を想って書いたバラード」
「空に向かって」という歌を
きみのためにつくったんだよ
歌うことが好きだった
君を思って書いたんだ
歌詞の
(眩しいひかりペルセウス)
それが君
歌っていると
五線譜の向こうに君が見えてくる
私は歌っている時にだけ
遠くの君と近くで会える
だからこの歌は この魔法は
とても大切にしているんだよ
だけど五線譜の向こうの君は
何度歌っても
私の告白を両手で返してくれた後の
暗い君