ᗰᗩᑎᗴ

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9/27/2025, 10:59:17 AM

彼女を見つけた。

十何年と音信不通だった彼女。
俺の全てをぶち壊して、夜の闇に消えてった彼女を。
見つけてしまった

…やっぱり、生きていたんだな。今日までを。
あの化け物が壊した人間の数は星の数よりも多いのだろう。数多の者をその妖艶な目遣いで魅了し、近づいて来た哀れな奴らと遊んで、壊して、捨ててきたのだろう。俺にしたように。
今まさに一人の罪なき男に擦り寄ってるではないか。
あまりに滑稽で、思わず涙が出てきてしまう。
だが…どうして、そう感じるのにわざわざこの涙を拭ってまであの化け物をずっと目で追ってしまうのか

……ああ、嘘だ、そんなわけない。信じたくない。前が見えなくなってきた。

俺はまた彼女に

恋をしてしまったというのか!?

涙の理由

9/26/2025, 11:19:09 AM

いつもと変わらない風景、今日あった出来事について話している貴方の声、私と目が合った途端やんわりとあがる口元、その全てが愛おしい。この時間がずっと続けばいいのに

…嗚呼、もう時間が無い。貴方とのしばしの別れが来てしまった。でもその前に、私が先程淹れたコーヒーだけでも飲んでいってはくれないかな、今ならまだ温かいはずだから

コーヒーが冷めないうちに

9/24/2025, 11:27:46 AM

まん丸の月が虚空の頂点に立った刹那
ふたりぼっちの部屋にぼぉん、ぼぉんと鳴り響く柱時計の音
月を見ながら時計の音に合わせて身体をゆらゆら揺らせている彼におもむろに近づいて
私はひとつキスを落とした

時計の針が重なって

9/20/2025, 12:00:26 PM

「ばいばい」
刹那、時が止まった。だらだらと某動画サイトを見漁っていた時に突然送られてきた好きな子からのメッセージ。画面から流れてくる笑い声をぶつ切りにしてあの子とのトーク欄を開き、脳内を短い単語に変換し、打ち込む。「え」「まって」「どうしたの」「何」「やめて」「まって」「まって」「まって!」

既読がつかないメッセージ

9/18/2025, 10:36:14 AM

「例えばもし明日世界が終わるならどうする?」
丑三つ時、ベッドの上、ふたりで夜空をぼんやり眺めている時に彼はこう言った。目線はそのままで口だけを開く
「…抗ってみせるよ。なんとしてでも」
「俺と一緒にいたいとか、思わないのか」
「一緒にいる未来のために、抗うの」
「ふふ、全く……君らしいな」
一瞬、彼が悲しそうな瞳をしたのを私が見ることは叶わなかった

もしも世界が終わるなら

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