「わ〜めっちゃ紅茶の香りした!」
帰り道、カフェの前で目をキラキラさせる親友。
「行っちゃう?」
と私が乗れば
「まじ!やった〜!だいすき!」
素直に感情を表に出してくれる。
私は本当は紅茶よりコーヒー派。でもコーヒーよりも君の笑顔が好き。恋人にも尽くしすぎるくらい尽くす私だけど、性別関係なく大好きな人が笑顔になるのが好き。
これを他人は自己犠牲と呼ぶのかもしれない。でも私はこの子になら自分を犠牲にしてでもその人の笑顔が見たいって思う。
あなたの良いところも悪いところもたくさん知ってる。いつもありがとう。これからもよろしくね。
私が大好きだった彼。あんなにずっと一緒に居たのに「好き」の2文字だけは言ってくれなかった彼。
あなたは感情を隠すのが得意な私に
「ほんまは?」
って聞いてくれる人だった。
「怒ってるやろ?」って君が聞いても
「怒ってないわ」って答える私に
「ほんまは?」って聞いてくれる。
そしたら私は
「ちょっとだけ」って答えた。
「ほんまに?」って君以外の人はみんな聞くんだよ。
あれから私も「ほんまは?」って言うようにしてる。
会えなくなっても変わらない。
君には男女の関係じゃない、人としての愛をもらった。
君に教えてもらった愛のある言葉。
君と私の共通の言葉。
「ほんまは?」は私たちの愛言葉。
学生時代の友達って1番難しい関係だと思う。
同じ学校に通ってる間は毎日毎日、これでもかって言うほど一緒に居て、泣いて笑って私たちが1番青春してるってぐらいの時間を共有する。
でも学生には必ず卒業が付きまとう。また会えばいいよねって言うけど、離れた場所で違う友達と違う経験をするうちにお互い変わっていっちゃうんだよね。どっちが悪いとかじゃなくそれぞれの方向に。
私が落ち込んでた日に「あなたは周りのことばっかり褒めるけど、あなたが素敵な子だからあなたの周りにも素敵な人がたくさん集まってくるんだよ。」って言ってくれたこと忘れられない。
もう2人で遊ぶことはないかもしれない。でもね、嫌いにはなれないよ。だいすきな友達だったから。私は今も君のこと応援してるよ。離れた場所で幸せになろうね。
どこにも行かないで、置いていかないでって思ってるよ。でも私たちは恋人同士じゃないからそんなこと言えない。側から見ればどう見ても恋人同士なのに、
「好き」
の言葉だけが重すぎる。伝えたら全部壊れちゃう気がする。そうやって次は言う、次は伝えるって思ってたけど結局言えなかった。伝えなかったらずっと一緒に居れるんじゃないかなって思ってた。バカだよね。
伝えなくても壊れちゃう関係なら、「好き」の2文字ぐらい投げつけてやればよかった。
空はこの地球に1つだけ。どこで上を見ても同じ空がある。大好きな友達も、家族も、大好きだった彼も、まだ会ったことのない人も、これから死ぬまで一度も会わない人も、この世界にいる限りみんな同じ空を見られる。そう考えるだけでふっと心が軽くなる気がした。実らなかった恋をいつまでも引きずってしまうけれど、彼が私を忘れても、あの日あの場所に2人で笑っていたことは変わらない、変えられない。このどこまでも続く青い空の下で今日も彼があの笑顔で笑えているのならそれでいい。でもこれは彼のためじゃないな。そう自分に言い聞かせてるだけだ。来年のクリスマスも一緒にって言ってくれたこと、忘れられないよ。君はずるい。もう少しだけ待たせてね。