みんなのスーパーヒーローになりたい。
そう話した君を画面越しにしか見たことがないけれど、いつも変わらない笑顔を見せ、明るい気持ちにしてくれる。クスッと笑ってしまう言動や微笑ましい行動に心が温かくなる。ステージに立つ姿は誰よりも全力で、眩しいほどにキラキラ輝いてる。
まるで太陽みたいな君を見ていると、どんな時も笑顔になれるし、たくさん元気をもらえるよ。
君は正真正銘のスーパーヒーローだよ。
連日の日本勢メダル獲得が喜ばしい一方で、悔しさの涙を見ると心を揺さぶられる。この一瞬とも言える闘いのために、どれだけの時間、どれだけの努力をしてきたのだろう。これで終わってしまったのだと思うと、こちらまで泣きそうになる。
アテネ五輪のテーマソングだったあの曲が頭の中に流れる。間奏部分で聴こえる鐘の音。そうだ。これは間奏、一区切り。選手達の競技や人生はこれからも続いていくんだ。
これまで闘い抜いた選手をたたえ、心の中で栄光の鐘を鳴らしたいと思う。
母は韓国ドラマが好きで、平日の再放送を毎日観ている。
コマーシャル長いのによく辛抱して観てるなと感心する。
夕食時間になるとわたしにドラマの内容を語ったりする。韓国ドラマが面白いのは知っているが、母の語りは長いしあまり面白くない。要点を話せば良いのに、あの人がこうしたとかこう言ったとか事細かに話すのだ。
まあでも母は楽しそうだし、こういう時間も大切にしたいとは思う。これからも沢山語ってほしい。聞いてるフリは得意だから。
わたしの部屋のドアノブにジャンプして、中に入り込んでいた愛猫。ベッドに寝るわたしを見上げて「にゃ〜お」と一声。目を合わせると「にゃー」ともう一声発して去っていく。それが朝のルーティンだった。
起きてって一声かけてくれるのは可愛いしありがたいのだけど、実はその時すでにバッチリ目が覚めてるんだよね。ドアノブをガッチャンと開ける大きな音で。
昔一度、検査で入院したことがある。
4人部屋だったけど、挨拶程度にしか話さなかったから一人音楽を聴いたり携帯を見たりしていた。
夜中になっても一向に眠れない。一日ベッドにいるだけだから眠くならない。辺りは静寂な闇。誰の寝息も聞こえない。灯りを消していないのはたぶんわたしだけ。ベッドを囲むカーテンに映る自分の影をじっと見つめた。手で影絵を作ってみたりした。
何故か涙が出た。心細くなったのか、帰りたくなったのか。ただ、そこでは静寂と影がわたしを独りにしていた。